東京23区「保育園に入りにくい駅」ランキング2024、待機児童は解消していない?待機児童数は大幅に減少したというが、東京23区全てでそうなっているわけではない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 東京23区の待機児童数は2018年に3352人だったが、2023年は12人と大幅に減少した(東京都福祉保健局調べ)。しかし、この数字には注意が必要だ。

 行政が発表する待機児童数には、数々のトリックがある。まず、認可保育園に申し込んだ児童が認可に入れなくても、認可外保育園に入れていれば待機児童にはカウントされない。また、自宅から遠い認可・認可外園を自治体から勧められ、それを断ると「特定の保育所等を希望している児童」に分類され、この場合も待機児童にカウントされない。

 こういったノーカウント待機児童が量産され、待機児童ゼロを宣言している自治体が23区中21区となり、残すは世田谷区10人と墨田区2人だけとなった。待機児童問題は以前より改善しているのかもしれないが、全員が認可保育園に入れるようになったわけではなく、実態はそこまで楽観視できない。

半数以上の世帯が保育園選びをする
重要なのは「駅ごとの」入りやすさ

 東京23区では、共働きが増えたこともあり、小学校入学前の児童の50%超が保育園に入園する。つまり、子どもが生まれたら半数以上の世帯が保育園選びをすることになる。

 もし子どもを保育園に入れられず、共働きを続けられないと、世帯の収入とライフスタイルを大きく変えなければならなくなる。そうした事態を避けるべく、保育園に入りやすい立地を求めて引っ越しを行う人も増え、「保育園移民」と呼ばれている。