コニカミノルタPhoto:SOPA Images/gettyimages

注目度の高い業界や企業の最新決算を分析する『最新決算 プロの目』。今回はコニカミノルタなど事務機器セクターを取り上げる。オフィス市場が縮小する中、各社とも複合機に変わる次の一手を模索しているが、足元は残酷なほどに明暗が分かれている。直近の四半期決算の分析に加えて、各社の中長期の展望について岡三証券の島本隆司シニアアナリストに聞いた。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

2期連続下方修正のコニカミノルタ
「4期ぶりの営業黒字転換」となるか

 自動車各社や総合商社、メガバンクで業績の上方修正が相次いだように、2024年3月期第2四半期決算の東証プライムに上場する企業の当期利益の合計は、過去最高となった。

 だが、好調な業種がある一方で、苦戦が続く業種も存在する。特に業界全体がシュリンクしていると、個別企業のマネジメントだけで苦境を打破することは難しい。その代表的な業界が事務機器セクターである。

 複合機を中心とした事務機器は、ペーパーレスの流れの中で市場が縮小している。その結果、利益率が高いメンテナンスやトナーなどの売上高が減少している。

 コニカミノルタの場合、ヘルスケアの減損もあり、23年3月期まで3期連続で赤字に転落。直近10四半期で見ても6四半期で赤字になっている。さらに、前期、前々期は黒字予想から一転、本決算直前に業績を下方修正している。

 24年3月期は180億円の営業利益を見込むが、上期の営業利益は8億円にとどまる。通期見通しに対しての進捗率は低く、会社計画の達成が危ぶまれる状況だ。果たして今期こそ期初予想を達成して、黒字回復となるのだろうか。

 各社とも複合機以外の領域にも注力しているが、そこでも明暗が分かれつつある。岡三証券の島本隆司シニアアナリストにコニカミノルタを中心に、事務機器セクターの最新四半期決算の分析と中長期のシナリオについて聞いた。