どんなに懐が深い企業にも限界はある。
アマゾン・ドット・コムとグーグルの親会社アルファベットは、合わせて1840億ドル(約27兆円)の現金と短期投資を保有する。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスのデータによると、両社のこれら資産の保有高は、マイクロソフト、アップル、フェイスブックを傘下に持つメタ・プラットフォームズと並び、米S&P500種株価指数採用銘柄の非金融企業の中で最も多い。アマゾンとアルファベットはまた、合計で年950億ドル弱のフリーキャッシュフローを生み出してもいる。
つまり、両社は資金に困ってはいない。 だが、見境なくいくらでも使えると考えているわけでもないのは明らかだ。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の11日の報道によると、グーグルは「ネスト」「フィットビット」などのデバイス事業をはじめとする複数の部門で、従業員数百人のレイオフに着手した。アマゾンも「プライム・ビデオ」「MGMスタジオ」「Twitch(トゥイッチ)」事業を中心に数百人の削減を進めている。両社とも正確な人数は明らかにしていないが、2023年にはグーグルが1万2000人、アマゾンが1万8000人以上を削減しており、それに比べるとはるかに小規模だ。