戦時の商社#15Photo:Donald Iain Smith/gettyimages

半導体など特定の商品を扱う専門商社の業績が好調だ。コロナ禍がもたらした商品の不足・価格高騰の追い風を受けているからだ。総合商社と伍して戦う実力を有する専門商社はどこなのか。特集『戦時の商社』(全16回)の#15では、「総合・専門商社・卸 “経営力”ランキング ベスト160」をお届けする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文、竹田孝洋)

8位双日、9位住友商事を上回った
部品商社と半導体商社は!?

「万年割安株」といわれていた総合商社株が再評価されている。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏率いる投資会社が株式を取得した2020年以降、株価は最大4倍以上に上昇。三菱商事や三井物産は、初めて純利益1兆円超をたたき出した。

 追い風となったのは、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナへの軍事侵攻などの影響で、エネルギーや半導体が不足し、価格が高騰したことだ。

 つまり、総合商社だけでなく、半導体などを扱う専門商社もこの間、大きなチャンスがあったということだ。

 そこで、ダイヤモンド編集部は、総合商社の収益性や将来への投資余力などを、競合する専門商社や卸売会社と比較するためのランキングを作成した。

 作成方法の詳細は次ページの「ランキングの見方」に譲るが、大きく四つの視点で総合得点を算出した。

(1) 近年の商品価格高騰を収益に結び付けられたかどうかを「年平均売上高成長率」や「営業利益率」で評価

(2) 効率よく稼ぐ力を「ROE(自己資本利益率)」で評価

(3) 株主還元への積極性を「総還元性向」で評価

(4) 投資余力を「フリーキャッシュフロー(FCF)」で評価

 次ページでは、「総合・専門商社・卸 “経営力”ランキング ベスト160」を全公開する。最も経営力がすぐれた商社はどこなのか。