冬のボーナス不支給を発表するなど、サマンサタバサジャパンリミテッドが深刻な経営不振に陥っている。同社のメインバンクである三井住友銀行の意向が、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。8期連続で最終赤字見通しのサマンサは、一層の窮地に追い込まれそうだ。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
1月31日の借り換えと新規融資に
メインバンク三井住友銀行の判断は?
深刻な経営不振に陥っている服飾雑貨のサマンサタバサジャパンリミテッド。同社は昨年12月、2024年2月期の業績予想を下方修正し、純損益の見通しを3.2億円の黒字から11.4億円の赤字に引き下げた。
これで、8期連続で最終赤字になる見通しに。非常事態を受け、サマンサは従業員への冬のボーナス不支給を発表、話題となった。事実、『倒産危険度ランキング2024【アパレル36社】』でも触れているように、サマンサはアパレル業界でワースト7位と高い危険度にある。
出口の見えない業績不振にあえぐサマンサに対して、同社のメインバンクである三井住友銀行はどう動くのか?その意向が、ダイヤモンド編集部の取材で分かった。
メインバンクが危機にある融資先にできる支援は、大きく二つ。「既存融資の借り換え」と「新規融資」に応じることだ。
借り換えについては、実はサマンサのシンジケートローン91億円が、1月31日に返済期限を迎えるという切迫した状況にある。ただし、アレンジャー(幹事金融機関)を務める三井住友銀行の主導で、2カ月程度、期限が延びる見通しだ。まずは目前の関門は乗り越えられそうだ。
では、三井住友銀行は「新規融資」に応じるのか?ダイヤモンド編集部の取材の結果、同行の姿勢が明らかになった。さらに、実は三井住友銀行はサマンサ支援で別の切実なジレンマを抱えていて、そこでも大きな決断を迫られそうなのだ。サマンサ内部の詳細な金の流れと併せて、明らかにしていく。