金利で明暗! 銀行絶望格差#滋賀銀行インタビューPhoto by Hiroki Kondo/REAL

滋賀銀行はここ数年続く県内の底堅い資金需要の恩恵を受け、業績堅調。2023年9月末時点で、保有する有価証券の含み益も1820億円あり、財務基盤は強固だ。その強みをどう生かすのか。23年6月に就任した久保田真也頭取に、話を聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)

24年4月から新中計スタート
ホールディングス化も含め検討中

――2024年4月からスタートする新たな中期経営計画は、どのようなことを柱に据えるのでしょうか。

 今は銀行の業務範囲が広がっています。ビジネスチャンスや社会課題がどこにあるのか、それに対して関連会社も含めたわれわれのグループがどのように対応できるのかを考えています。

 他行ではホールディングス化して、幅広く対応している銀行もあります。今はそれが当行に向いているのかどうか、ベストな形はどのような体制なのかを検討しています。

――24年前半には金融政策が変更され、金利が復活する時代へと事業環境が変わることが予想されています。どのように捉えていますか。

滋賀県内には、大阪府と京都府に本社を置くグローバル企業の研究開発拠点が点在している。電池や半導体に関連した新規投資が盛んに行われており、優良な貸出先に困るような状況にはない。滋賀銀行は1820億円の有価証券含み益を抱え、益出し余力ランキングでは地方銀行100行中6位(本特集#1『地銀100行「益出し余力」最新ランキング!“金持ち地銀”1位は京都、“貧乏地銀”のダントツ1位はSBIの提携先銀行』参照)。昨今の地方銀行では珍しい、前途洋々な未来を描くことができそうだが、久保田真也頭取はそんな余裕はないと気を引き締める。次ページで、その真意を語ってもらった。