落ちていくビジネスパーソンPhoto:BM Photography/gettyimages

蛇の道は蛇、建前だけでは本質は決して分からないのが不動産。そんな業界に首まで漬かった業界人がネット上に集う全国宅地建物取引ツイッタラー協会(全宅ツイ)。暴露ネタ満載の毎年恒例の新年不動産座談会、1日目は2023年の不動産相場を振り返る総論をお届けする。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

座談会参加者●全宅ツイオールスターズ
全宅ツイのグル@emoyino
都心の不動産を中心に扱うブローカー
あくのふどうさん@yellowsheep
渋谷の不動産ブローカー
はとようすけ@jounetu2sen
宅地建物取引士(2024年結婚予定)
すんで埼玉@sunde_saitama
埼玉を中心に不動産売買仲介。それぞれの荒川を越えろ
みっく・まーさー@Mick_Mercer
外資不動産ファンド屋さん。すみふLover

「工事費が上がりすぎて、現場に手が震える
おじいちゃん職人しかやってこない」

――恒例の年始不動産座談会です。まずは2023年の不動産景気振り返りをお願いします。

全宅ツイのグル(グル) 何もかもがコストが上がった1年でした。不動産の仕入れ価格から工事費から(1)BMフィーとかも。金融機関からの融資金利も僕の会社は微妙~に上がってます。10bps(0.1%)とか、ほんのちょっとですが。

あくのふどうさん(あくの) 金利上がってるの我々だけだったりして…与信の問題とかで…。私も(2)長プラ連動の融資があって、それが22年4月とか5月に50bpsくらい動きました。(3)TIBORで調達してるやつとかは動いてないんですけど。物件保有して運用する案件とかだと賃料が下がったわけではないので、純収益は変わらないんですけど、税引き前キャッシュフローで見ると金利が上がった分、利益は圧縮されちゃいます。まあ微々たるものですけど。

グル それから、工事原価で大きな割合を占める工事費の上昇が利益を圧迫しています。RC(鉄筋コンクリート)の賃貸レジ(住宅)で10億円前後の工事費で坪150万円だったのが、180万円まで上がったイメージがあります。

みっく・まーさー(みっく)  体感で2割ぐらい上がってますね。開発系はホントきつい。

あくの 工事費と関係あると思うんですけど、職人や工務店の練度がすっごい落ちてる気がするんですよねー。え、この手の震えてるおじいちゃんが塗装やってんの!?みたいな。工事費を転嫁できないタイプの工務店とかは人採れてないんじゃないすかね。

グル 工務店やゼネコンで経営が危なそうなとこもありますね。

みっく リノベとかすぐに着工してほしいのに人繰りできなくて…みたいなのも多いす。

――でも工事費って下げられるポイントなくないですか? 今後もなんか下がる要素が見当たらないし。これからどうなるんでしょうか?