個人投資家が好きな「テーマ株」だが、その実態は玉石混交。業績に貢献しない話題先行のテーマも多いのが現実だ。特集『高配当&高成長!NISAで狙う日本株』(全20回)の#4では、「一時的に盛り上がる材料株」ではなく、新NISAで狙いたい「中長期の骨太テーマ」を専門家に緊急取材。併せて注目企業も紹介する。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
一時的に盛り上がる材料株ではなく
「中長期で伸びる骨太テーマ」に乗る
「株価上昇率の上位10社に半導体関連が4社ランクイン」――。
業績、株価水準、需給、経営力……、銘柄選びの視点はいろいろあるが、勢いのある業種やテーマを探すこともその一つだ。実際、本特集#1『新NISAで狙いたい、世界に誇る日本の「強い株」大開陳!半導体・高配当・10倍株…』でも紹介したように、この数年間は、難しいことを考えなくても半導体関連の主力株を買っておけばもうかる相場だった。
半導体以外でもDX(デジタルトランスフォーメーション)やインバウンドなど、株式市場では世の中の注目テーマに関連した銘柄が人気になることが多い。銘柄研究に時間を割けない個人投資家の場合、4000社近い上場企業を全て調べるのは難しい。やみくもに銘柄を探すよりは、有望なテーマや業種を探し、その中で本命株を探す方が「当たり」の確率は高まるだろう。
ただし、株式市場で話題になればOKかというと、安易に飛び付くとやけどしかねない。少しややこしいのだが、「テーマ株」と呼ばれるものには、「一時的に盛り上がる材料株」と「中長期で株価上昇が狙える骨太テーマ株」という、似て非なる二つがあるからだ。
前者は一時のブームにすぎないもので、短ければ数日でブームが終焉。多くの場合、株価は急角度で上昇した後、上昇前の株価に下がってしまう。
一方、骨太のテーマ株の場合、年単位で株価が右肩上がりになることが多い。直近では半導体やインバウンド関連が該当するだろう。
両者の違いは、見分けるのが難しいこともあるが、端的に言えば「テーマが業績に貢献しているかどうか」である。新技術の開発など、ニュース性はあっても当面の業績とは関係ないテーマの場合、株価を中長期で上昇させる起爆剤にはなりにくい。デイトレードやスイングトレードなど短期取引限定のテーマと心掛けよう。
前置きが長くなったが、新NISA(少額投資非課税制度)で狙いたい「骨太の優良テーマ」とは何か。次ページでは6人の有名ストラテジストが、新NISAを意識した、中長期で期待できる業種やテーマをセレクトした。併せて注目企業も紹介するので、ぜひ参考にしてほしい。