この1年間で外国為替市場では1ドル=130円台前半から150円程度まで一気に円安が進み、株式市場にも少なからず影響を及ぼした。引き続き動向が注目される中、特集『高配当&高成長!新NISAで狙う日本株』(全20回)の#6では、円安・円高のそれぞれの局面で株価が反応しやすい銘柄のランキングを作成。“リスクヘッジ銘柄”的な位置付けでも活用できそうな、各50社を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
為替変動リスクに備える!
独自ランキングを大公開
「高い緊張感を持って為替市場を注視する」。神田眞人財務官は2月14日、財務省内で記者団へこのように述べ、急速な円安に対する警戒感をあらわにした。同日の外国為替市場で、円相場が3カ月ぶりに1ドル=150円台へと下落したことを受けた発言だ。
前の日の海外市場では、1月の米CPI(消費者物価指数)が予想を上回り、利下げ観測が後退。日米の金利差拡大を受けて急速な円安が進行したのだ。神田財務官は冒頭の言葉に続き、「その状況を踏まえて最も適切な対応を取る」と述べた。市場では節目の150円突破を受け、2022年10月以来となる為替介入の再来も意識され始めた。
今後も市場と当局の神経戦が続きそうな雲行きだが、振り返れば、外国為替市場では過去1年ほどの間、円安トレンドが継続してきた。対ドルの円相場は23年1月に120円台後半の水準だったが、その後は米連邦準備制度理事会(FRB)の相次ぐ利上げなどによって円安が加速。22年秋には、政府・日本銀行が約24年ぶりの為替介入に踏み切った。
そもそも為替相場は、各国の経済の勢いや金利差、地政学リスクなど森羅万象を織り込みながら形成されるもの。専門家でも方向性の予測が難しい一方、日本株であっても、銘柄によっては為替の動向が株価に大きな影響を与え得るだけに、個人投資家にとっても悩ましい問題だ。
そこで次ページでは、過去のデータを基に、円安・円高のそれぞれの局面で株価が反応しやすい銘柄のランキングを大公開。東京証券取引所上場企業を対象に、過去10年間の週次のドル円、ユーロ円相場の変化率と株価騰落率(対TOPIX〈東証株価指数〉)の相関係数の平均値を基に、「円安(および円高)による株価へのメリットが大きい銘柄」50社ずつをランキング化した。為替変動に備える“リスクヘッジ銘柄”的な位置付けでも活用できそうなだけに要注目だ。