米中対立の激化を発端に始まった半導体投資競争が苛烈化している。地政学リスクの高まりに加えて、生成AI(人工知能)ブームが到来したことで、半導体需要が爆発的に拡大しているのだ。世界の半導体市場は過去最高ペースの成長を取り戻した。特集『狂騒! 半導体』の#2では、日米欧の半導体投資計画リストを公開すると共に、半導体市場を爆発させた「大口半導体ユーザー」の存在を明かす。(ダイヤモンド編集部 村井令ニ、浅島亮子)
国家覇権戦争とAIバブルが追い風
世界半導体市場1兆ドルの超強気予想
米中対立を発端に始まった主要国による半導体投資競争が、新たな展開を見せている。生成AI(人工知能)サービスの爆発的普及により、半導体需要が激増しているのだ。
2024年の世界半導体市場は過去最高の5883億ドル(約87兆円)となる見通しだが、業界では「30年に1兆ドル(約149兆円)」という強気予想まで飛び出す異常事態となっている。かつて産業のコメと呼ばれた半導体は、国家の競争力や安全保障をも左右する“戦略物資”となったのだ。
主要国による半導体投資競争は、さながら国家覇権戦争の様相を帯びている。次ページでは、日米欧の半導体投資計画リストを公開すると共に、半導体市場を爆発させた「大口半導体ユーザー」の存在を明かしていこう。