日経平均株価、史上最高値に
あと50円までに迫る
上昇基調が続く日経平均株価は、前週末の2月16日には、一時、1989年年末につけた終値での史上最高値(3万8915円)に、一時はあと50円に迫った。
今年の初値は3万3288円だったが、17日の3万8487円(終値)までの上昇率は15.6%になる。21日も終値は3万8262円と高水準だ。
ダウ平均株価も同様に好況だが、上昇率は、今年初めの3万7715ドルから2月中旬3万8627ドルまでで2.4%。それに比べても、2024年になってからの日本の株価の上昇が著しいことは間違いない。
だがまず第1に、当然のことを確認しておく必要がある。日本の株価は、34年前の1989年12月29日の水準にやっと戻ったに過ぎない(注1)。
市場では「最高値更新が間近」ということで熱気を帯びるが、経済指標が史上最高値を記録するのは、別に目新しいことではない。というよりそうなるほうが普通で、むしろ戻らなかったことが問題だ。
ではなぜ、いま日本の株価が急騰しているのか?
明らかにいえるのは、日本経済の実態が好転したためではないことだ。