巷では「DX」「DX」の大合唱が呪文のように続いています。しかし現場からは、「仕事が増えただけで売上はなかなか上がらない」という悲鳴が聞こえてきます。そんな悲劇を解決すべく、1000社以上の問題を解決してきたITコンサルタント・今木智隆氏が書き下ろしたのが『DX沼からの脱出大作戦』(ダイヤモンド社)です。本連載では、さまざまなデジタルの「あるある」失敗事例を挙げながら、なぜそうなってしまうのか、どうしたら問題を解決できるのかをわかりやすく丁寧に解説していきます。ECサイトやSNSの運営に携わっている現場の方、デジタル広告やデジタルマーケティングに関わっている現場の方はぜひご一読ください。
「嘘つき」を見破るコツ
「汚れたデータ」には「嘘」が含まれることを肝に銘じておくべきでしょう。ここでいう「嘘」は、必ずしも悪意があるものとは限りません。私にせよあなたにせよ、人はあらゆるアンケート項目すべてに、正直に答えるわけではありませんよね。報酬が貰えるからちょっといい評価にしておこうか、知らない用語ばかりだけど面倒だから全部「知っている」にチェックしておこうか……。
意識的に嘘をつくわけではないにしても、面倒だからといった理由で人間は不正確な回答を行うものです。
こうした「嘘つき」のデータを排除する効果的な方法があります。例えば「知っている英会話サイトの名前にチェックをつけてください」という質問をし、解答欄に「E―A H O」みたいなデタラメなサイト名を載せておくのです。それにチェックをしている人は信用ならないので排除した方がよいということです。
※本稿は『DX沼からの脱出大作戦』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。