「識学」という独自のマネジメント法で、今、大きな注目を集める識学代表取締役社長の安藤広大氏の究極の目標とは?特集『識学大全』(全12回)の#3では、「識学3部作で語り尽くせなかったことがある」と言う安藤氏に、次回作の中身を明かしてもらった。(聞き手/ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
「事実」から目を背けると
いずれ大きなストレスになる
――識学3部作がベストセラーになりました。その要因をどのように分析されていますか?
僕としては、識学でも、本の中でも「事実」を伝えているだけなんです。多くの人々が事実から目を背けて日々を過ごしているのですが、世の中は事実通りに進んでいくので、事実から目を背け続けると必ずどこかで大きなストレスが降りかかってきます。
それで「ストレスの原因って何だっけ?」って悩んだときに、この本に事実が書いてあって「そうだよね」とふに落ちているのではないでしょうか。確かに耳は痛いかもしれないけれど、事実は普遍だから「向き合わないとうまくいかないよね」と、多くの人が気付いてくれているのだと思います。
――確かに3部作を読むと、耳の痛い言葉が随所に出てきます。
そうですね。だから識学を導入されている企業の社長の皆さんからも「やっぱり初めは怖かった」と言われます。要はいい人、いい社長として社員をつなぎ留めてきたところから、「仕組み」に切り替わることで、人が離れてしまうんじゃないかということです。しかし、事実に反していないので、結果として経営や組織管理がすごく楽になるんですよね。
――他のマネジメント論とは異なる、識学のオリジナリティーはどこにあると思われますか?
何といってもメソッドそのものです。識学は実は組織論ではありません。識学の「識」は言偏で、糸偏ではありません。つまり、人間の「意識構造」に関するロジックなんです。人が物事を認識して行動に移るまでの間のことを意識構造として定義しています。認識に誤りがあるから行動を誤る。僕らは、その認識の誤りの発生の仕組みを分析して、認識の誤りが発生しないような仕組みを会社組織に実装することをサービスとしてやっています。
今夏に発売予定の次回作では、リーダーに共通するある苦悩や迷いへの処方箋を伝授。その中身とは?