「識学」のメソッドを基に、「人の上に立つべき人」のための仕事の型になる思考法が「仕組み化」だ。シリーズ3作目『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)のエッセンスを凝縮して、現在の経営者や管理職はもちろん、未来のリーダーである若手社員にも役立つメソッドを紹介しよう。特集『識学大全』(全12回)の#5では、後編として、会社の存在意義である「企業理念」を考察する。
仕組み化はあくまで手段
「企業理念」なしでは迷走する
[1]仕組み化は、あくまで目指すべきゴールがあった上で必要な考え方、つまり手段です。プレーヤーも何のために働くのか、経営者や上司がどこに導こうとしているかは把握しておくべき。最初は「お金のため」でも、それだけでは仕事を続ける醍醐味は味わえません。どんな会社にも「企業理念」があり、そのもとに社員が集まる以上、社員の心の中には、つねに企業理念があり続けるべきです。
[2]ドラマやアニメなどで「正義感のある個人vs悪の組織」という構図が描かれます。その方が、見ている人が感情移入しやすいからで、自分が理不尽だと思い込んでいることを、主人公が組織に向けて突きつける。その姿に憧れるわけです。
しかし、現実は違います。企業理念を持ち、社会貢献する企業で働いているのに、「自分がいるべき組織ではない」と言うことの方がダサい。大きなことが成し遂げられる組織の中でしか、自己実現はできません。
[3]なぜか日本では、嫌々働くことが美徳とされます。不満があるなら、早く成長して人の上に立ち、自らの責任において「仕組み」を変えればいい。組織を悪とするのではなく、目的を共有し、お互いが協力する仲間だと思うことに気づくべきです。
次ページでは、豊富な図解付きで『とにかく仕組み化』のエッセンス(後編)をさらに学ぶ。なぜ企業には理念が必要なのか?ぜひ学んでほしい。