家系ラーメン「町田商店」を展開するギフトホールディングス。社員とパート・アルバイトを合わせて4600人超が働き、東証プライムに上場する同社を一代で築き上げたのが田川翔社長だ。田川社長は上場前から、独自のマネジメント論として注目を浴びる「識学」をいち早く実践。前年割れ続きだった売り上げをV字回復させたという。特集『識学大全』(全12回)の#9では、田川社長による改革の全容をお伝えする。その一環で実施した「部下との飲み会廃止」のメリットとは?(ダイヤモンド編集部 濵口翔太郎)
気鋭のラーメン店経営者も
かつては部下との関係性に苦戦
『リーダーの仮面』のノウハウを導入することで、組織の問題を解決した企業の事例を見ていく。
ギフトホールディングス(HD)は、横浜家系ラーメン「町田商店」の運営企業などを傘下に持つ飲食事業者だ。「屋号自由」「加盟料無料」で外部オーナーを募り、店舗運営のコンサルティングなどで収入を得る独自の収益モデルも武器としている。
グループ全体の社員数は約600人。パート・アルバイトは4000人超。直営店と外部オーナー店などを合わせた店舗数は745軒(2023年10月期)。18年には東証マザーズ(当時)に上場し、20年は東証1部(同)に指定替えを果たした。
持ち株会社制への移行を経て、現在は東証プライムに上場している。
このギフトHDを率いるのは、08年に同社を創業した田川翔社長である。ただ、大所帯を一代で築き上げた田川社長も例に漏れず、上場前は部下のマネジメントで苦労していたという。
苦労していた要因は、実は現場社員との「飲みニケーション」にあった。上司と部下、経営層と現場社員の間にある「壁」を取り払うはずの飲み会にどんな弊害があったのか。『リーダーの仮面』のノウハウを取り入れることで、その課題をいかにして解決したのか。次ページ以降で詳しく解説する。