組織を飛躍させるためには、それぞれのプレーヤーが強くなることが欠かせない。そこで活用したいのが「数値化」による圧倒的な成長だ。特集『識学大全』(全12回)の#10では、元ラグビー日本代表選手で、追手門学院大学女子ラグビーチームを全国優勝に導いた後藤翔太氏が、識学メソッドの有効性を語る。(ダイヤモンド編集部 下本菜実)
「数字」を追いかけずして
成長できる人はいない!
組織を成長させるためには、それぞれのプレイヤーが強くなることが欠かせません。そして、急成長するプレイヤーには1つの共通点が現れます。それは「数字」です。
あなたは数字という言葉を聞いて、どのようなことを考えますか。おそらく、ビジネスパーソンが真っ先に考えるのは、「数字の目標やノルマ」。
マイナスなイメージを持つだけでなく、アレルギー反応のような強い拒絶を示す人もいるでしょう。「数字だけで評価すると職場の雰囲気が悪くなる」と考えるリーダーもいると思います。
もちろん、数字がすべてではありません。感覚的なひらめきや熱意が強みになることもあります。しかし、それだけでは必ず「壁」にぶつかる。数字に向き合わずに成長できる人は、誰1人としていないのです。
「最初は数字を導入すると、チームの雰囲気が悪くなると思っていました。でも、想像していたのとは逆にチームの雰囲気は和やかになりました」。
こう話すのは、元ラグビー日本代表で監督として追手門学院大学・女子ラグビーチームを全国優勝に導いた後藤翔太氏です。
追手門学院大に女子ラグビーチームが設立され、後藤氏が監督に就任したのは2013年。初年度に集まった選手は2人。
「主体的にラグビーに取り組んでほしい」という思いの下、選手の意見を取り入れながら指導するも、実力はつかず。たった2人の選手が退部を切り出し、部の存続が危ぶまれたこともありました。
このままでは、全国優勝は夢のまた夢。結果を出さなければ、遠くない未来に解任されることになるだろうーー。そんな崖っぷちの中、後藤氏が藁にもすがる思いで取り入れたのが、識学の数値化ノウハウでした。
次のページでは、チームを全国優勝に導いた数値化のノウハウと、数値化を取り入れる際に必要な二つの心構えについて解説します。