マクドナルドが「モスと同水準」まで値上げするワケ…日本のビッグマック価格は不適切にもほどがある?Photo:123RF

ファストフード大手のマクドナルドが1月に値上げを行い、「モスバーガーやバーガーキングと同じ価格帯」になったことが話題です。実は日本のビッグマックの価格は世界的に見ると“不適切にもほどがある”かもしれません。(百年コンサルティング代表 鈴木貴博)

マクドナルドの値上げで
モスバーガー、バーガーキングと同水準の価格に!?

 マクドナルドがこの1月の値上げで、モスバーガーやバーガーキングとほぼ同じ価格帯になったことが話題です。他よりも断然安いイメージがあったマクドナルドが格安ではなくなったことで、残念がる声もあります。では、この値上げは「顧客から見て不適切」なのでしょうか? さまざまな観点から検討してみましょう。

 マクドナルドは、2020年代に入ってからこまめに値上げをするように戦略を変え始めました。

 ビッグマックの場合、2020年は390円だったものが2022年に410円に値上がりし、23年1月に450円に値上がりしたと思ったら7月には都市店価格が導入され、わたしが住んでいる新宿では500円になりました。そして今年の1月からは、ついに530円(都市店価格)に値上がりしました。約4年間で35%も値上げしたというわけです。

 他の人気メニューでは、てりやきマックバーガーが440円、ベーコンレタスバーガーが460円、フィレオフィッシュが440円(すべて都市店価格)です。モスバーガーの人気メニューのテリヤキバーガーが430円、フィッシュバーガーが390円、モスチーズバーガーが480円ですから、確かに価格は拮抗(きっこう)しています。

 マクドナルドよりもボリュームが多いことで若者に人気のバーガーキングでも、サイズ感がマクドナルドに近いメニューで比較すればワッパーJr.が490円、フィッシュバーガーが400円、ダブルチーズバーガーが460円ですから、やはり「マックとライバルは同じ価格帯」と言っていい状況になったようです。