ブラック企業に勤めながら、貯金0円から1億円を貯めた男の生活とは!?「給料が全部貯まっていくんです」と語り、独特の節約生活がSNSで大バズり! テレビ朝日、TBSなど、各種メディアや韓国や台湾、中国、タイ、ベトナムなど海外でも話題になったのが、絶対仕事辞めるマン氏だ。同氏の蓄財の道のりや、節約生活のすべてを明かした初の著書『1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活』が刊行された。節約生活のきっかけから、貯金の過程や具体的な節約テクニックまで、究極の節約思考とその実践法を丁寧に解説した1冊だ。今回はその刊行を記念し、内容の一部を紹介する。
「お金を残して死ぬ」という大きな悩み
お金はあればあるほどよいものですが、ある程度まとまった金額が貯まると、別の悩みが出るものです。それは、「お金を残して死ぬのはもったいないのではないか」ということ。
・せっかく貯めたうん千万円は、家族もいないし死んだら国庫にいってしまう
・大したつながりもない親戚に相続されるのが気に食わない
と気にされている方も多いと思います。
もちろんこれは、「お金が枯渇するかもしれない」という悩みよりずっと恵まれたものです。ですが歳を重ねるにつれ、こういった悩みを持つ人も増えるのだと思います。
理想的なのは、寿命を迎える時に貯金がピッタリ0円になるように、計算をしながらお金を使うことです。DIE WITH ZERO(ゼロで死ぬ)ですね。それを狙いつつ計画的に消費生活を楽しむのは合理的な行動です。
とはいえ、想定した寿命より長生きする、突発的な災害や病気に遭うといった不安は尽きません。こうやってヒヤヒヤしながら合理的支出生活を送って、心から楽しめるのでしょうか。老後資金をDIE WITH ZEROに向けつつ毎日ハッピーに暮らすのは、ハードルが高そうだと感じています。
「お金を残して死ぬ」はもったいなくない
では、この2つの悩みはどちらのほうが少しはマシなのか。それは、前者でしょう。
そもそも自分が死んだ後の世界は、存在しないも同然です。あなたが観測しない世界は、語弊を恐れずに言うと存在していません。というより、存在していないと考えるのが妥当です。
だから、あなたが一生懸命働いて、血のにじむ思いで貯めたお金をまんまと相続して舌を出す者は、どこにもいません。それは、妄想上の存在です。死んだらあとは野となれ山となれ、なので忘れてしまいましょう。がんばって貯めたお金は、生きているあなたのためだけに存在するのです。
では、使われなかったお金は一体何のために存在していたのか。何の便益ももたらさず、ただ完全にムダなものとして最後まで存在していたのでしょうか。
そうではないと思います。
そのお金によって、老後や生活の不安、金欠に起因する劣等感はかなり払しょくされていたはずです。だから、残されたお金はムダなものではなく、一生涯あなたを精神的に守り続けてくれたクッションなのです。
サーカスの綱渡りを考えてみてください。うまく渡れたからといって「クッションがムダだった」などと、誰が思うでしょうか。最低限の安全装置があるからこそ綱渡りができるし、綱の上をより自由に動けるわけです。
死ぬ間際に「あー! クッションがあったおかげで、充実した人生だった」と思えるように自らの思考をコントロールしていったほうが、充実した暮らしを送れるのではないでしょうか。
(本稿は、『1億円の貯め方 貯金0円から億り人になった「超」節約生活』を抜粋、再構成したものです)