米共和党、中絶巡り新戦略 「率直に議論すべき」Photo:Alex Wong/gettyimages

【ワシントン】11月の米大統領選挙で下院議席の過半数維持に向けた共和党の取り組みを主導する議員らは人工妊娠中絶を巡り、同僚議員に自らの立場を率直に議論するよう促している。前回の選挙では中絶問題にあえて踏み込まない姿勢が目立っていたが、接戦を制する上では新たな対応が重要になるとみている。

 下院共和党の選挙対策を手掛ける議員らが作成したメモは、同党は「政策の問題ではなく、ブランドの問題」を抱えていると指摘した。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がメモの内容を確認した。共和党は中絶問題を議論することに消極的だったため、同党の立場は民主党が定義することになったとの見立てだ。有権者の多くは共和党の候補者がいかなる状況下でも中絶に反対しているとみているが、実際には候補者によってさまざまな立場があり、激戦区では特にそれが当てはまるという。

 選挙対策として候補者には、自らの立場を「自信を持って明確に」伝えるべきとの指針を示し、「有権者に明確な立場を示そうとしないことは最悪の解決策」とした。