2020年に始まったコロナ禍による落ち込みを脱した日本経済。ただ、元通りになったわけではない。デジタル化や脱炭素の潮流が加速し、円安や物価高の影響も続く。その結果、企業によって業績の明暗が分かれている。格差の要因を探るべく、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はコマツ、クボタの「建設・農業機械」業界2社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)
両社共に増収増益
クボタの営業利益は5割超の大幅増
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の建設・農業機械業界の2社。対象期間は2023年8~12月期の四半期(2社の対象期間はいずれも23年10~12月期)としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・コマツ
増収率:5.6%(四半期の売上高9720億円)
・クボタ
増収率:5.3%(四半期の売上高7625億円)
両社とも増収で、かつ営業利益、純利益を見るといずれも大幅な増益となっていた。その背景には、海外での堅調な需要と値上げ、そして円安の影響が大きい。
次ページ以降では2社の増収率の推移を見るとともに、利益面の状況も見ていく。