以前の記事でお話ししたように、就活では「活動量」の多い人が成功します。早くから動くに越したことはありません。機会が提供されているのだから、少しでも早く色々な会社の人と出会い、色々な社会人と話し、色々な会社の仕組みを知るほうがいいのです。その蓄積された経験や知見は、後々志望企業を決めるときにも、最終的に入社する会社を決めるときにも、そしてその後の社会人人生にも必ず役に立つからです。もちろん、単純にライバルに差をつけるためにも、早くから動き出し、動き続けることは内定への一番の近道です。

 企業が早くから学生に接触する理由として、「早い時期に出会った学生のほうが自社について良い印象を持ってくれる確率が高い」ということが挙げられます。卵の殻を破って生まれたひなが、最初に見たものを親鳥と認識する「刷り込み」と同じで、学生は何社も他の会社を見た後より、一番初めに出会った企業を「基準」に企業選びをする傾向が強いのです。

学生にも比較検討して
選ぶ権利がある

 もちろん、最初にインターンシップに参加した企業に対してよい印象を抱くことは、学生にとってもよいことです。仮にそこで内々定をもらえたとすれば、自信にもなります。ただ就活は、一生にそう何度もできることではありません。学生には比較検討して選ぶ権利も機会もあるのだから、せっかく色々な情報が公開されていて、多くの企業がアプローチしてくれるならば、複数の企業にあたってみる、内々定が出ても動き続けて幅広く企業を見るのもいいのではないかと、私は思っています。
 
 実際に一部の企業では、「先行逃げ切り型」といった選考をしています。インターンシップで出会った多くの学生に早々に内々定を出してしまう。そうすると学生は、内々定を1社もらったことで安心してしまい、活動にブレーキがかかってしまいます。「とりあえず行く企業」が決まり、多くの企業を見ずに超人気企業を中心に活動を続けた結果、最初に内々定をもらった企業に入社します。