埼玉・群馬県境に、“翔んで埼玉”空港が建設されるかもしれない。埼玉と群馬の10市町からなる地域が、空港整備を構想していることが明らかになったのだ。実現すれば、この地域の住民は羽田空港や成田空港に行かずとも飛行機に乗れるようになる。ただし、この地域で新空港の誕生が期待されている理由は、それだけではない。(乗り物ライター 宮武和多哉)
“翔んで埼玉”空港が爆誕か?
埼玉と群馬の県境「上武」地域とは
埼玉・群馬県境に、“翔んで埼玉”空港が建設されるかもしれない。ヒット映画『翔んで埼玉』になぞらえてSNS上で盛り上がっている空港整備の候補地が、埼玉県側の本庄市や深谷市など5市町と、群馬県側の高崎市や前橋市など5市町からなる「上武」地域である。
上武地域は以前から県境を越えた交流や連携が盛んで、2022年に「上武連携構想」が発足した。この地域から東京都心にアクセスする手段は上越新幹線や関越自動車道などがあるものの、成田空港(千葉県)や羽田空港(東京都)へ行くには不便で時間がかかる。そこで、先の連携構想の中で空港を整備する案が浮上しているのだ。
もし新しい空港が開業すれば、この地域から飛行機に乗る利便性は格段に向上するだろう。ただ、空港建設には、土地の取得や環境影響評価をはじめ、アクセスの整備、そして何より需要があるかの精査まで、クリアしなければいけない課題が山積している。必要な公共事業ですら厳しい目が向けられるこのご時世に、なぜこの地域で新空港が構想されているのだろうか。