生成AIブームで大躍進する米エヌビディアのAI半導体。新製品の性能を飛躍的に向上させたのは「先進パッケージング技術」だ。その実現には、日本の半導体製造装置と材料メーカーの技術が欠かせない。特集『高成長&高年収! 半導体160社図鑑』の#17では、最新のAI半導体を支える日本の黒子たちの凄みに迫る。
カリスマ経営者が披露したAI半導体
性能向上に欠かせない日本企業の技術とは
3月18日、米カリフォルニア州サンノゼ。米エヌビディアの年次カンファレンスの基調講演でジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は巨大チップを掲げて見せた。
右手に持ったのはAI半導体の新製品「B200」。もう片方の手には、エヌビディアの躍進をけん引した現行品の「H100」。現行品と比べて巨大化した新製品は、AI学習、推論、電力効率で数倍から数十倍の性能向上を実現する。
新製品の劇的な性能向上をもたらしたのは、前工程の微細化技術ではない。半導体製造の後工程分野における「先進パッケージング技術」だ。
そして、この先進パッケージング技術を実現するためには、日本企業の協力が欠かせない。
次ページではエヌビディアの最新AI半導体の性能向上の鍵を握る先進パッケージング技術の構造を解明すると共に、それを実現するのに欠かせない日本企業24社を実名で明らかにする。