政策金利はいずれ1%程度に?
利上げプロセスで負のインパクト顕在化
日本銀行が3月の金融政策決定会合でマイナス金利解除などを決め金融政策の正常化にようやく踏み出した。これまで人為的に政策金利を低く抑えられ、預金金利はほとんど0%で預金者は我慢を強いられてきた。
この状況を「金融抑圧」と呼ぶ人もいるが、今後の金利の正常化は、異常ともいえる金利引き下げの時代を終わらせて債務者から債権者へと金利コストを移転することになる。
政策金利(無担保コールレート翌日物金利)は今後、0.1%からいずれ1%くらいまで引き上げられていくと、筆者は予想している。
この利上げプロセスでは、負のインパクトも顕在化するだろう。
長い間、日銀が超低金利を据え置いて、その副作用として銀行借り入れなどの債務残高を膨らませてしまったことの反動だ。
将来の金利上昇をあまり意識することなく、赤字資金を借り入れによって手当てして急場をしのぎ、それが返済できないまま累積してしまった企業が利上げによって行き詰まって破綻する状況に追い込まれる。
筆者の独自試算でも、資本金2000万円未満の企業を中心に調整圧力が顕在化しそうだ。