積み上がる円マークのブロック写真はイメージです Photo:PIXTA

今年から「新NISA」がスタートし、NISA関連の報道が過熱している。ビジネス誌「プレジデント」の元編集長が、雑誌や国内外の新聞を精査し、本当にお得な情報を紹介する。(イトモス研究所所長 小倉健一)

新NISAがもたらした
大きなメリット

 2024年1月から、非課税で有利に投資できるNISA(少額投資非課税制度)の新しい制度が始まった。株式投資で利益を出せば、約20%の課税を受けるが、NISA制度を利用すれば、非課税となる。

 この「新NISA」では、「非課税で投資できる期限がなくなる」「個別株投資も積み立て投資も両方できる」「非課税で投資できる金額が増える」「非課税投資枠を再利用できる」といったメリットが生まれる。

 特に「非課税で投資できる期限がなくなる」は、日々の株式投資にあまり興味がなく、“ほったらかし投資”をする人たちには大きなメリットといえるだろう。

 今回は、新NISA制度の使い方を考えてみたい。

お得なネット証券会社はどこか
ポイント目当ては要注意

 まず、ネット証券会社選びだ。先ほど挙げたメリットが生まれるのをチャンスとばかりに顧客基盤収益拡大のチャンスを狙っているのが、ネット証券各社だ。

<ネット証券各社が、クレジットカードによる積み立て投資の上限を、従来の月5万円から10万円に引き上げている>
<SBI証券と三井住友カードは22日、クレカ投資の上限額を5月の投信購入分(4月10日までの積み立て設定分)から月10万円にすると発表した。上限5万円のこれまでは、購入額の0・5~5・0%分のポイントをつけてきた。10万円に上げてからも、キャンペーンとして9月10日設定分までは同じ率を維持する>
ただし、<SBIと三井住友も、キャンペーン後は還元率を最大3・0%まで減らす。さらに投信購入以外のカードの年間利用額が低いと、還元率を下げるしくみへ切り替える。還元率の最も高いカード「プラチナプリファード」の場合、年500万円以上利用だと3・0%の一方で、300万円未満の場合1・0%に下がる。三井住友の担当者は「クレカ投資をする顧客は様々なキャッシュレス決済との親和性が高い。買い物などでもカードをもっと使ってもらえるようにしたい」と話す>(朝日新聞デジタル、3月25日

 つまり、クレジットカードで投資することで、ポイントが最大5%つくということだが、すぐにでも改悪が計画されており、最大ポイントを得る条件も厳しい。このポイント目当てに証券会社を選ぶかはちょっと考えた方がいいであろう。わざわざSBI証券に口座を開設したり、三井住友カードを新しくつくるのはあまりに面倒だ。

大手ネット証券会社4社は
手数料もサービスもあまり変わらない

 新NISAのために、これから新しく証券口座を開こうというのであれば、大手ネット証券4社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券)は、売買手数料も提供されるサービスもあまり変わらない。

 マネー系の雑誌だと小さな違いを大きなものだとして扱うが、私には違いがよくわからないし、そんなところで悩むほど暇ではない。銘柄選びは次の段落に譲りたいが、もし標準的な投信を選ぶなら、自分の利用する銀行でも取り扱っていることだろう。手数料や信託報酬が変わらないことだけは確認した方が良いが、こちらを利用するのが一番便利だし、安心だ。

 では、どんな銘柄を選ぶべきなのだろうか。