デロイト トーマツ グループが大規模な組織再編に乗り出す。コンサルティングやファイナンシャルアドバイザリーなどの事業の集約が柱となる。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、グループ再編の具体的な中身を詳報する。また、再編を見据え、デロイト トーマツ コンサルティングなど主要会社のトップも交代する方向だ。各組織の次期トップ候補の実名も明らかにする。(ダイヤモンド編集部副編集長 名古屋和希)
デロイトがグローバルで事業再編
「組織全体のコスト削減」が狙い
「デロイトが事業再編でコスト削減」。英フィナンシャル・タイムズ(FT)は3月19日、デロイトがグローバルで大規模な組織再編に乗り出すと報じた。
FTによると、現在5つある主要事業部門を4つに削減。コンサルティングやファイナンシャルアドバイザリー、リスクアドバイザリーの各事業を、新たに立ち上げる2つの新組織に統合するという。
狙いはコスト削減とされる。FTは、計画について知る関係者の話として「組織全体のコストを減らすものだが、削減額はまだ示されていない」としている。
組織再編は、デロイトが事業を展開する150カ国以上で1年かけて実行される予定で、デロイトのジョー・ウカゾグルCEO(最高経営責任者)が指揮を執るという。
グローバルでの組織再編は、日本のデロイト トーマツ グループも対象となる。ではデロイト トーマツの組織体制はどう変わるのか。
次ページでは、デロイト トーマツ関係者へのダイヤモンド編集部の取材を基に、組織再編の具体的な中身について詳報する。
コンサルティングやファイナンシャルアドバイザリーなどを集約して発足する2つの新組織に加え、それらを束ねる巨大コンサル組織の存在についても明かす。さらに、現行の組織が具体的にどのように再編される可能性があるかも解説する。
また、再編を見据え、デロイト トーマツ コンサルティング(DTC)やデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー(DTFA)といった主要企業のトップも交代する方向だ。『【スクープ】デロイトで「倒閣運動」の反体制派に粛清の嵐!“血判状”も出回ったクーデター事件の内幕』で触れたように、業績低迷を背景にDTCで勃発したクーデターの首謀者もある会社のトップとして名前が挙がっている。各組織の次期トップ候補に加え、新たな組織体制で主軸となる巨大コンサル組織のトップ候補の実名も明らかにする。