ダイハツ主導は軽のみに
トヨタとの連携体制を刷新
認証試験での大規模な不正により、昨年12月末から全車種の国内生産・出荷を停止するという前代未聞の事態を起こしたダイハツ工業。4月8日、同社は再生に向けた経営方針を発表し、記者会見を開いた。
会見には、3月1日付で就任した井上雅宏社長(前トヨタ自動車中南米本部長)と桑田正規副社長(前トヨタ九州副社長)、星加宏昌副社長(ダイハツプロパーで留任)らダイハツ新首脳陣が出席した。井上新社長は「ダイハツは軽自動車を中心としたモビリティカンパニーとなり、トヨタグループ内での役割を再定義する」と、新たなダイハツの方向性について語った。
ここで明らかになったのは、トヨタとダイハツの東南アジアなど新興国向け小型車事業の体制変更だ。従来の軽自動車事業とは別に、ダイハツブランドおよびトヨタにOEM(相手先ブランドによる生産)供給で展開している、国内と東南アジアのA・Bセグメントの小型車事業をトヨタ主導に切り替えることでダイハツの負荷を低減し、不正の再発防止を図る。従って、ダイハツ主導の事業は軽自動車のみになる。
また、これまでダイハツとトヨタの2社にまたがり、ダイハツが主体的に新車開発・認証を担ってきた「新興国小型車カンパニー」は廃止され、製品企画機能は5月1日付でトヨタの社内カンパニー「Toyota Compact Car Company」に移行する。今後、開発や新車認証はトヨタが責任を持ち、ダイハツが委託を受ける形に切り替わることになる。