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「逆説ではなく順接の接続詞の達人になる」「瞳孔を開いて心の中で『スゴ~イ!』と叫ぶ」。会話のなかにそれらを“ちょい足し”するだけで、コミュニケーションが円滑になるという。お笑い芸人と話し方講師という“二刀流”の著者が、コミュニケーションに悩む人々に会話を盛り上げるヒントを伝授する。※本稿は、桑山 元『すぐに使える!おもしろい人のちょい足しトーク&雑談術』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。

オススメは「高級レストランメソッド」
肯定的な順説の接続詞の達人に

「この前行ったレストランって、高かったけど美味しかったよね」

「この前行ったレストランって、美味しかったけど高かったよね」

 この2つの会話を比べてみて、どんな風に感じましたか?印象の違いをちょっと考えてみて下さい。

「高かったけど美味しかった」といわれれば、高い料金に見合った美味しい料理が提供されたという感想に聞こえます。

 逆に、「美味しかったけど高かった」といわれると、それなりには美味しかったけど、料金に見合うかといわれれば満足度は低いという風に聞こえてしまいます。

「けど」や「でも」「しかし」といった逆説の接続詞は、語順が後ろに来た文章を強調する働きがあります。いわれてみれば、国語の時間に習ったような気がしますよね。

 こんな基本的なことは、みんな知っています。知っているのに、意識せずに使ってミスしてしまうんです。え?ミスしたことなんかない?

「田中さんが作ってくれた書類って、本当に丁寧だけど時間がかかっちゃうよね」

 どうです?あ、いわれてみれば、気づかないうちに私もやっちゃってるかも…って、ドキッとしませんでしたか?

 じゃあ、何故こんなことが起こるのか?それは思い付いたことから、言葉にしていくからです。

 田中さんに感謝していて、日頃のお礼をいおうと思った時に出てきた言葉が、「本当に丁寧」だったわけです。その後に、ちょっと気恥ずかしくなって、つい逆のことを言ってバランスをとろうとしてしまいます。逆説の接続詞の罠にはまったケースです。

 では、どうすればいいのか?「逆説の罠」という言葉を思い出せばいいのです。ただ、それだけ。

 そんなに都合良く思い出せるのかって?そんな人は普段から「今の会話、順番入れ替えたらどうなるかな?」って考えるゲームをしてみて下さい。入れ替えても、ほとんど意味や印象が変わらない場合もあるし、ガラッと変わる場合もあります。

「面白いけど深い」「深いけど面白い」。これはほとんど変わりませんよね。「優しいけど目が笑ってない」「目が笑ってないけど優しい」。これは微妙にニュアンスが変わってきます。