「メディア事業」に続き、「プラットフォーム事業」が新たな“柱”に

無料ゲームアプリのダウンロード数で3年連続国内ナンバーワン(※1)。積極的なM&Aで電話占いや恋愛相談の収益が急拡大――。東京通信グループに関する最近のニュースは、会社の勢いを強く感じさせるものばかりだ。

実際、2023年12月期はグループ売上高が過去最高の62億1900万円を記録。快進撃の勢いは衰えることなく、24年12月期も80億円の売上高を計画。EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は23年12月期の2倍強の4億4000万円を目指し、営業利益も黒字転換を果たす見通しである。

「無料ゲーム」「占い」でグループ売上高が過去最高に。東京通信グループは新たな“事業の柱”を次々と育み、非連続的な成長を追求する東京通信グループ(証券コード:7359)の売上高は右肩上がり、営業利益も今期は黒字転換する計画
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好調をけん引しているのが、無料ゲームアプリを中核とする「メディア事業」だ。15年の創業時から展開する無料ゲームアプリのタイトル数は6000を突破。ここ数年は、海外市場で成長が著しいハイパーカジュアルゲームアプリ(言語や性別を問わず、幅広い年齢層に気軽に楽しめるシンプルなゲーム)の開発・リリースを強化しており、アジアをはじめとする海外でもダウンロード数と収益が拡大している。

メディア事業の売上高はグループ全体の6割を超え、まさに東京通信グループの屋台骨を支える事業となっている。明らかに、同社の“顔”の一つといえるだろう。

だが、「ゲーム専業として会社を続けていくつもりは一切ありません。もちろん、無料ゲームは重要な“事業の柱”なので、これからも大事に育てていきますが、新たな“柱”を次々と生み出して、非連続的な成長を追求したい。それが当社の描く成長戦略です」。そう語るのは、東京通信グループの古屋佑樹代表取締役社長CEOだ。

古屋CEOが次々と仕掛ける「新たな柱」とは何か。事業ポートフォリオを次々と増やしていく挑戦の内実と戦略を次ページからひもといていく。

※1 Sensor Towerのスマートフォンアプリ統計データ「日本企業ゲームダウンロード数ランキング(日本市場/Android,iPad,iPhone統合データ) 対象期間:2021年1月1日~2023年12月31日」にて第1位