今後のいすゞの方向性は、今回の中期経営計画で明示されたが、取り巻く環境変化のスピードは加速しそうだ。

 特に、日野自のエンジン不正問題により、昨年以来、親会社のトヨタが独ダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスとの統合を画策した。

 当初目標にしていた24年末までの統合の延期が発表されたが、関係筋によると来年以降に実現するとされる。この日野自・三菱ふそう統合が実現すれば、いすゞ・UDトラックス連合と合わせて国内商用車は2陣営に集約されることになる。日本の商用車メーカーが再編へと踏み出したことで、欧州や中国の商用車メーカーとのグローバルでの商用車再編にも結び付く可能性すらある。

 しかし、バス事業では、日野・いすゞが合弁でジェイ・バスを展開する一方、三菱ふそうは、三菱ふそうバス製造として独自に事業を展開して複雑に絡んでおり、この2社がどうなるかなどの注目点も残されている。しばらくは、商用車再編の中での新展開も予想されよう。

(佃モビリティ総研代表・NEXT MOBILITY主筆 佃 義夫)