農家が、生産コストの上昇分を価格転嫁できる“売り先”はどこなのか。特集『儲かる農業2024 JA農水省は緊急事態』(全17回)の#11では、担い手農家アンケートの1230人の回答から、値上げ可能な「儲かる販路」に迫った。産直ECの黄金時代を脅かす新たな販路とは。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)
自分で値付けできる産直ECで
果物を月間1869万円売る農家も
肥料価格の高止まり、人件費の高騰――。農家の経営を圧迫する要因は枚挙にいとまがなく、農産物の値上げは待ったなしだ。ところが、生産コストの価格転嫁は十分に進んでいない。
農家の経営が成り立つ“売り先”はどこなのか。その永遠のテーマに迫るため、ダイヤモンド編集部は担い手農家アンケートの結果に基づき、「価格転嫁できた・できなかった」 農産物の販売先ランキングを作成した。
価格転嫁できた販売先のトップは食べチョク、3位はポケットマルシェ(ポケマル)だった。それぞれ消費者会員100万人、73万人を擁する産直ECの二大巨頭だ。
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