昨年、米国のトランプ前政権で国務長官を務めたマイク・ポンペオ氏の回顧録「Never Give an Inch(一歩たりとも譲るな)」が中国の指導者の間で話題になったが、その中に習近平国家主席を激怒させた一節があった。米国は台湾に「完全な外交的承認を付与」すべきだとポンペオ氏は書いていた。ポンペオ氏の見解に対する習氏の怒りは、中国政府内で広がる今後の懸念を暗示していた。もしドナルド・トランプ氏とその取り巻きが米政権を奪還した場合、中国には何が待ち受けているのだろうか。トランプ氏が大統領を務めた4年間は米中関係に混乱をもたらした。同氏の2020年の退任を受けて、中国国営の新華社通信は珍しく豊かな表現で「いなくなってせいせいする、ドナルド・トランプ!」とツイートし、安堵(あんど)をにじませた。
「トランプ2.0」に備える中国
トランプ氏が大統領に返り咲けば、対米関係の波乱増幅や貿易戦争再燃の可能性があると中国当局者はみている
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