北大西洋条約機構(NATO)軍は3月、冷戦後で最大規模の軍事演習を実施し、加盟国のうち14カ国の軍がアダジの森林地帯に集結した。今回も想定している相手国はロシアだった。まだ暗い早朝、警告とともに訓練が始まった。敵軍がロシアとラトビアの国境を越え、首都に迫っているという想定だ。部隊は種類が異なる無線機を使って複数の言語で連絡を取りながら、侵略者役の戦車の動きを封じるため、湿地帯に追い込もうとした。「最も重要なのは、ラトビア国境とNATOの境界線を守るため迅速に行動・展開する準備ができていると示すことだ」。森の中で重装甲車の旅団を指揮していたラトビア陸軍オスカルス・クドリス大佐はこう語った。演習にはカナダやアルバニアなどの遠隔地からも参加しており、連絡の円滑化や戦場での手順共有、ばらばらの兵器システムの連係などが必要だった。
ロシアだけではないNATOの課題
部隊の統合運用に向けて訓練を行う一方、国防費の目標達成に後ろ向きな加盟国も
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