米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーにとって、観光客が物言う投資家ネルソン・ペルツ氏の時間軸で動いていないことは幸いだ。ディズニーの業績を厳しく批判していたペルツ氏との委任状争奪戦に勝利してから約1カ月後、同社が7日発表した1-3月期(第2四半期)決算は好悪入り交じった内容となった。決算自体は、動画ストリーミング部門の消費者直販エンターテインメント事業の営業損益が予期せず初の黒字となり、スポーツ配信を手掛けるESPN事業の国内の増収ペースが加速するなど明るい材料がいくつかあった。しかし、ディズニーは決算発表の中で、主にテーマパークで構成されるエクスペリエンス部門の営業利益が4-6月期は横ばいになるとの見通しを示した。これはアナリストを失望させた。ファクトセットのコンセンサス予想によれば、アナリストは同セグメントの営業利益が前年同期比12%増になると見込んでいた。ヒュー・ジョンソン最高財務責任者(CFO)は決算会見で営業利益の伸び悩みの一因に「新型コロナウイルス後の需要の一部正常化」を挙げた。