バイデン大統領Photo:Anadolu/gettyimages

 ジョー・バイデン米大統領は、野心的なグリーン経済を新たに創出しようとしている。だが彼にとっての政治的問題は、その大半を中国が供給したがっているということだ。中国製品に対してドナルド・トランプ前大統領が課した関税をはるかにしのぐ厳しい関税を新たに課すことが、解決策になるのだろうか。残念ながら、これは世界のグリーン貿易戦争にとってのサラエボ事件になり得る。

 中国は「人為的に低価格にした輸出品で世界の市場をあふれさせている」と、ホワイトハウスは14日説明した。そのため、米国は中国製品に対する関税を引き上げる。対象品目(カッコ内の数字は税率)に含まれるのは、電気自動車(EV、100%)、鉄鋼・アルミニウム(25%)、リチウムイオン電池(25%)、重要鉱物(25%)、太陽電池(50%)、半導体(50%)、港湾クレーン(25%)、医療用注射器・注射針(50%)。

 バイデン政権は1974年通商法の301条を適用する。同じ条文を適用してトランプ氏は関税を課し、中国の重商主義的行動を変えさせようとした。これによって米国民は輸入品により多くの代金を支払うことになったが、中国の習近平国家主席がEVを含むハイテク製造業を支配するための国家戦略「中国製造2025」を強化した中で、トランプ氏の狙い通りにはならなかった。

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