不動産投資をはじめるにあたって、自分の職業や年収、保有資産といった属性からすると、どのような物件購入が望ましいのか? 初めてだとわからない人も多いと思います。
今回は、専業主婦(パート勤めの主婦)と弁護士・医師・経営者をモデルケースとして、おすすめの不動産投資を考えてみます。
子育てが終わって時間の余裕ができたから、不動産投資で大家さんになって老後の生活費の足しにしたい……。仕事や子育てが一段落つく頃に、そんなことを考えはじめる女性も少なくないようです。自宅をリフォームしたり、人のお世話をするのが好きだったりする人には、大家さん業は向いていると思います。
そのようなタイプの人は、投資とともに趣味の延長の感覚で、古くて小さな不動産を賃貸に回しているケースも多いです。
専業主婦には築古戸建てがおすすめの理由とは?
ただし専業主婦の場合、収入がないので融資を受けにくいのが現実。すでに不動産を所有して順調に資産形成していたり、金融資産があったりするなら別です。しかし、一般的に定職をもたない人は、10万円のカードローンも難しいでしょう。でも、配偶者が連帯保証人になってくれる場合は、融資を受けて不動産を買える可能性もあります。
専業主婦・パート勤めの主婦には、300万~800万円の築古戸建てあたりが現実的です。
エリアは、居住地からなるべく近い場所がいいでしょう。そのクラスの物件はかなり古いものになるので、何かトラブルがあったら、すぐに現地へ駆けつけられる場所にあったほうが便利だからです。
資金的には“ボロ物件”が投資対象になる可能性が高いので、リノベーション覚悟で買うことになります。リノベーションする資金がない人は、自分でDIYを楽しむつもりで手を加えるか、家族や友人が修理やリフォームに協力してくれるようでなければ管理は厳しいかもしれません。
築古戸建ては、物件を買った後で手間がかかると覚悟して、それでも買うべきかどうかじっくり考える必要があります。そのぶん、最低でも利回り12%はみておきましょう。借入金利が高ければ、14%はほしいところ。最近は、築古戸建てのリノベーションを、趣味のように楽しんでいる人も大勢います。
インターネット上や書籍にもリノベーションやDIYに関する情報もたくさんあるので、知識も得やすいでしょう。女性は、インテリアに興味があったり、アレンジするセンスがあったりする人も多いです。素人でもクオリティが高いものを手作りできる人はたくさんいます。「古い家を自分好みでリノベーションしてみたい」という人は、比較的少額の不動産投資でいいかもしれません。自分が手をかけた家に人が住んでくれれば、それだけ達成感がありますよね。共用部分をアレンジして入居者によりよい環境を提供することに力を入れたりして、大家さんとして第2の人生を楽しんでいる人もいます。そういうふうに大家さん業にやりがいを感じられそうなら、趣味の延長としてはじめる不動産投資がおすすめです。
【専業主婦(パート勤めの主婦)へのおすすめ】
エリア:自宅の近く
利回り:12~14%
物件:築古戸建て(リノベ、DIY)
物件価格:300万円~800万円
弁護士や医師などは1億円程度の一棟買い
不動産会社からもっともターゲットにされやすいのは、士師業のなかでも属性の高い弁護士や医師、そして経営者です。なぜならこうした職業の人は仕事が忙しくて時間の余裕がないため、これといって不動産の勉強はしていないけれど、年収が2000万~3000万円と安定的に入ってきます。
そのため不動産を売る相手としては最高の条件なのです。さらに弁護士・医師・経営者は稼ぎが多いぶん、税金もたくさん払っているので、「節税対策になるので不動産を買いましょう」というセールストークに弱い傾向があります。そして、「ああそう? それじゃ、よろしく」と、深く考えることもなく不動産を買わされているケースも多いようです。
よく聞くのは、不動産会社のいい値で買わされてしまうケースです。たとえば、売り主が提示した5000万円の物件に、不動産会社が不当に高い手数料を上乗せして6000万円で買わされたりするケース。
これは見極めがなかなか難しいところですが、その物件があるエリアの相場を調べれば、気がつくことです。けれども、仕事が忙しい士師業の人や経営者の多くは、そこまで自分で細かく調べないことも。その脇の甘さに業者からつけ込まれて、いわれるがまま買わされてしまうのがよくあるパターンです。
なかには、区分マンションを何戸も買わされている士師業の人もいます。本来の物件価格より高値で買わされているケースも多く、融資を受けると購入価格よりさらに高い支払い額になります。つまり、区分マンションを買った時点で債務超過になってしまうわけです。不動産会社によっては、それを逆手にとって「これで節税できますね」などといってくることも。
たとえば、鉄筋コンクリート造で法定耐用年数47年の新築区分マンションを5000万円で購入すると、5000万円÷47年106万円で毎年約106万円が赤字計上できます(わかりやすく説明するうえで、「物件価格=建物価格」としていますが、実際は物件価格中の建物価格のみを減価償却します)。
47年かけて赤字計上しつつ、資産価値もゼロになっていきます。しかし、「毎年、確定申告で106万円も赤字にできるのは大きいですよ!」などといわれると、「それもそうだな」と言葉通りに受けとってしまう人もいるのです。
もちろん、「赤字が出れば節税になる」ということは間違ってはいないかもしれません。けれども、あまりにも赤字がかさむと次の融資を受けられなくなるほどバランスシートが悪化して、取り返しのつかない状況にもなりかねません。債務超過になっても、属性が高ければ次々に不動産を買えてしまうのがやっかいなところ。自分が債務超過になっていることに気づかないまま、区分を買い増ししている人も多いのが実態です。
そういったリスクをすべて回避して、着実に資産形成していきたいなら、やはり1棟買い以外の選択肢はありません。1億円くらいの価格帯であれば築浅の物件も出ています。利回り5%程度でいいので、資産価値の高い築浅物件を1棟買いしてコツコツ働いてもらいましょう。
忙しくて時間に余裕のない士師業の人でも、せめて不動産投資に関する本を4~5冊は読んでから不動産投資をはじめることがおすすめです。どんなに立派なお仕事をされている先生でも、不動産投資の知識がないと思われた瞬間に、業者や金融機関にナメられてしまいます。そのような目に遭わないように気をつけてください。
【弁護士・医師・経営者へのおすすめ】
エリア:首都圏
利回り:5%程度
物件:築浅1棟アパート(マンション)
物件価格:1億円~
今回は、専業主婦(パート勤めの主婦)と弁護士・医師・経営者をモデルケースとして、おすすめの不動産投資を紹介しました。これから不動産投資を始めたい人で、専業主婦(パート勤めの主婦)や弁護士・医師・経営者の方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
●八木エミリー 投資家&事業家。野村證券に入社後、新人で東海地区の営業成績ナンバーワンとなり、最年少講師に。26歳で辞めた後は、不動産投資を開始し、7棟の不動産を所有(購入額7.5億円)。不動産投資の自己資金は徹底した節約で貯めたもの。現在はIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として中立の立場で金融商品のアドバイスなども手掛けている。20代30代を中心に経済的自立を目指すお金ビギナーを救う活動を「マネ活」としてメルマガ配信などを行なっている。著書に『今からはじめれば、よゆうで1億ためられます!』『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』(ダイヤモンド社)。最新刊は、『放置しておくだけでふつうにお金が増える投資術』(ビジネス社)
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