今からはじめて資産1億円を目指すマネ活実践講座

「つみたてNISA」で資金が増えたら老後の定期収入として「不動産投資」も検討してみよう!

2022年9月20日公開(2022年9月20日更新)
八木 エミリー
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 「つみたてNISA」からコツコツ始めていって、3000万円ほどの資金が貯まったら、不動産投資にチャレンジする手もあります。投資の4種類の中で、唯一銀行などの金融機関から融資を受けられるのが不動産投資。他人の資本を利用して自分の資産を増やしていけます。融資を活用して資産を一気に拡大させていきたいという人にとって、不動産投資はすごくいいツールですよ。

 今回は、投資の選択肢の1つである「不動産投資」の魅力について紹介します。

不動産投資は事業なので銀行融資を受けられる

 今、日本はインフレでものの値段が上がっています。こういう時代には、不動産投資は有利です。理由は、元手はかかりますが、土地というものの価値はとても強いから。インフレの時代には上がりこそすれ、そうそう下がることはありません。とはいえ、私は、すべての人が不動産投資をするべきだとは思っていません。

 不動産に興味がある人はやってみたらいいし、応援したい会社がある、自分も株主となって社会にかかわりたいという人は株を続ければいいです。「もう上がったり下がったりはたくさん」という人は債券を持つなど、それぞれの取り組み方があります。

 投資にはその人の考え方や性格によって向き不向きがありますから、まとまった資金をどう運用するのか、まず自分のタイプを見極めることは大事ですね。

 不動産投資を選んだ人は、なぜ不動産投資だけが融資を受けられるのかを考えてみてください。その理由は、不動産業という事業が成り立つからです。事業ということは、簡単にできる積み立て投資などよりは、勉強すべき範囲が広い。

 さらに、ある程度自分も働かなければいけないし、リスクも覚悟しておく必要があります。

 今、不動産投資がちょっとしたブームになっていて、不動産投資をやりたい人や、興味のある人が大勢います。あなたも不動産投資をやってみようと思うなら、不動産投資が事業であることをしっかり理解してから始めてください。

 不動産投資はいつ始めるのがいい? 不動産投資は負債も抱えるため、始めるなら若いほうがいいというイメージがあるのではないでしょうか。もちろん20代で始めたら、30年ローンを組んでも50代後半の、まだ現役で働いているうちに余裕で完済できます。

 一方、手持ち資金がしっかり貯まった40代、50代の人は、まとまった頭金が払えますし、会社に長く勤めている分、社会的な信用があり融資を受けやすい面もありますね。年齢よりも、やはり自分のタイプに合った投資を選ぶことが先決です。

老後の定期収入が年金不安の解決策になる

Photo :MASANORI SEIYA / PIXTA(ピクスタ)

 不動産の魅力の1つは、毎月家賃が入ってくることです。

 将来年金だけでは足りないとき、月々の固定収入があればすごく安心できます。今豊かに暮らしているご年配の方は、不動産を持っているか株の配当や債券の利息があるか、このうちのどれかだと思います。会社を定年退職したあと、年金のほかに定期的に入ってくるお金があるのは心のゆとりにつながり、楽しむことに時間やお金を使えるんですね。

 一方、資産を持たない人たちは、老後は一生懸命貯めたお金を取り崩していくというイメージでいるのではないでしょうか。そうなると、100歳まで生きるとして、「あと何年もある」「1年にこれだけしか使えない」などと、ヒヤヒヤしながら暮らすことになります。

 日本は世界有数の長寿国ですから、長生きすればするほど医療費もかかるし、施設に入るならその費用もかかります。長生きすることがリスクになってしまうんです。ですから、老後も定期的にお金が入ってくる基盤をつくっておくことは必須でしょう。貯めたお金を取り崩すのではなくて、そのお金に働いてもらって定期収入をつくる。

 私の場合はそれを不動産でやっています。

 少し前に買ったマンションの1棟は、法人をつくって私の母を役員に入れました。母にも賃貸経営に協力してもらって役員報酬としてお金を払い、母の老後の定期収入にしてもらうつもりです。

 繰り返しになりますが、老後の定期収入は株の配当でも、債券の利息でもいいんですよ。選択肢はいろいろあります。

 どの道を選ぶにしても、ある程度のまとまった資金は必要になるから、若いうちから積み立てをしたり個別株をやったりしながら資金をつくっていくことが重要なのです。

新築ワンルームマンション資産にならず残念な投資

 不動産投資といえば、ワンルームマンション投資が流行っています。

 ワンルームマンションでも、すごく立地が良くて土地値がこれからバンバン上がっていくところなら買ってもいいかもしれないけれど、ワンルームマンションには土地が付いてきません。これはリスクといえます。私は物件を1棟で買っているので、駐車場も含めた土地すべてを不動産として持っています。

 土地の値段も上がり下がりはありますが、株に比べればさほど変化がないので、資産としての価値は安定しています。

 一方、ワンルームマンションは土地を所有者みんなで分け合っていくことになるので、土地自体の所有権はほとんどありません。そして建物の価値は年々減っていきます。

 シミュレーション的には、物件を購入し、35年のローンを支払い終わってからやっと利益が発生することになります。しかしその頃には、築浅のマンションが周りにたくさん建っているはず。

 そんな中で、築35年のワンルームマンションに、あなたは住みたいと思いますか? まだ中古で安く買えるとかならアリですが、わざわざ新築でプレミアム価格の付いた物件を買うのは、残念な未来しか描けません。ワンルームマンションが資産にならないとわかり、手放したいのに買い手がつかず、困っている人がたくさんいますよ。

 ワンルームマンションを買わせるためのよくあるセールストークが、「生命保険の代わりになります」です。

 でも、ずっとお金を払い続けるということは、それは投資ではないです。ただマンションを所有しているだけ。また、マンションを持つと修繕が発生するし、空室リスクもあります。そんなリスクをはらんだ生命保険を持つよりも、普通の生命保険を持ったほうがずっと効率がいいでしょう。

 手持ちの資金が少なくて、1棟買いには手が届かない。だからワンルームという選択なのだと思いますが、ワンルームマンションは資産形成の役には立たないし、老後の定期収入にもなりません。

 「ワンルームマンション、買っちゃおうかな」なんて頭をよぎったら、このことを思い出してください。

 今回は、投資の選択肢の1つである「不動産投資」の魅力について紹介しました。これから不動産投資を始めたい人は、「不動産投資は1つの事業であること」「自分のタイプに合った投資を選ぶ」「ワンルームマンションには手を出さない」を、ぜひ頭に入れておいてくださいね!

 

●八木エミリー  投資家&事業家。野村證券では最年少講師に。26歳で辞めた後は、不動産投資を開始し、7棟の不動産を所有(購入額7.5億円)。現在はIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)として中立の立場で金融商品のアドバイスなども手掛けている。経済的自立を目指すお金ビギナーを救う活動を「マネ活」としてメルマガ配信などを行なっている。著書に『今からはじめれば、よゆうで1億ためられます!』『元証券ウーマンが不動産投資で7億円』(ダイヤモンド社)など。

 

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