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金融市場異論百出

ウォークマンが象徴する日本企業の競争力の低下

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年11月10日
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 ソニーはカセットテープのウォークマンの日本国内向け出荷を終了したと発表した。このニュースは、英国でも大きく報じられた。

 BBCテレビは夜のニュース(10月25日)で放送。専門家は「今後はウォークマンの収集価値が高まる」と語っていた。「デイリーテレグラフ」(26日)は、「ウォークマンは世界初の商業個人向けステレオシステムであり、人びとの音楽の聴き方に革命を起こした」「よく言われるが、それはあらゆる時代における最も偉大なガジェット(電子機器)の発明であった」と書いた。

 最も思い入れ深く報じたのは「タイムズ」(26日)だろう。ニュースとして報じる以外に、社説でも取り上げた。さらに2ページの特集も掲載した。「われわれはどれほどウォークマンを愛していたか」「カセット(とウォークマン)によって、西側ポップミュージックはベルリンの壁を越え、ロシア共産主義に入っていった」。

 それらの報道からは、ウォークマンの登場がヨーロッパ文化に強い衝撃を与えたことが伝わってくる。海外の報道で日本人が誇らしい気分になれるのは、久しぶりだ。しかしながら、非常に気になるのだが、それらの報道は、カセットテープのウォークマンの製造中止を、ブランドの消滅と同義として報じている。ウォークマンのデジタル携帯プレーヤーが認知されていないのだ。確かに、英国の量販店ではソニーのデジタル携帯プレーヤーをあまり見かけない。日本では販売台数で米アップルのiPodを一時追い抜くほどの健闘を見せているが、残念ながらこちらでは勝ち目がないようだ。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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