システム建築業界で唯一の自社専用工場を持ち、エ場・倉庫・店舗・事務所などの設計から製作・現場施工まで手掛ける業界のリーディングカンパ二ー・横河システム建築。短納期・低コスト・高品質の「yess建築」をもって躍進を続ける同社の原動力と今後の展望を聞いた。

 ──横河システム建築は横河ブリッジホールディングスの一員として、どのような事業を展開しているのでしょうか。

大島 当社は2001年8月にシステム建築事業、可動建築事業、太陽光発電事業を統合する会社として設立され、翌年4月、横河ブリッジから独立して営業を始めました。当社が展開するシステム建築のブランド名「yess建築(YOKOGAWA ENGINEERED STRUCTURE SYSTEM)」は工場・倉庫・事務所・店舗・スポーツ施設など、小規模な建物から大規模な建物まで多くの用途に利用されています。

人手不足や消費行動の
変化に的確に対応

大島輝彦(おおしま・てるひこ)
横河システム建築 代表取締役社長

■東京理科大学卒業後、1981年横河橋梁製作所(現横河ブリッジ)入社。システム建築事業部袖ケ浦工場長などを経て、2002年横河システム建築転籍。05年取締役、10年常務取締役となり、16年6月代表取締役社長に就任。

──建築業界は好況である一方、人手不足や建築コストの上昇といった問題が指摘されています。

大島 20年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設投資をはじめ、都心の再開発プロジェクトや道路・鉄道などの社会基盤整備事業が進行しており、人手不足は深刻さを増しています。人手不足による労務費の上昇も建設資材の値上がり、旺盛な土地需要などを背景に、建設コストの上昇も懸念されます。このような状況下で「短納期・低コスト・高品質」かつ物流倉庫や工場の建設に適した「無柱大空間」を実現した「yess建築」は、お客さまのニーズに的確に対応し問題解決に貢献しています。

──具体的には、どのようなニーズに注目していますか。

大島 当社が得意としている工場・倉庫の他に店舗、スポーツ施設や、最近では不足の声が上がっているライブシアターや3000人規模のアリーナに採用されるなど、システム建築への期待はさらに高まっていくものと考えております。

 また、全国に900社を超えるビルダー(販売・施工代理店)のネットワークを通じて、各地域のお客さまに、地元に根差した丁寧な提案ができることは当社の大きな強みとなっています。

着工面積は世界同時不況以降、着実に増えている。yess建築のシェアも順調に伸びており5%目前