夜遅くまで働くビジネスパーソンにとって、途中で間食するか、空腹を我慢して遅い夕食にありつくかは悩みどころ。だが、血糖値の観点からみると、間食の方が体にいいことがわかってきた。20万人以上の臨床経験と、生化学×最新医療データ×統計データから、医学的エビデンスに基づいた本当に正しい食事法をまとめた牧田善二氏の新刊『医者が教える食事術 最強の教科書』から、内容の一部を特別公開する。

小腹が空いたらナッツを食べる
――空腹を我慢するより、ちょこちょこ食べた方がいい理由

 私たちの健康にとって重要なのは、血糖値が安定していることです。単純に基準値内ならいいというものではなく、少しでも上下しないでいることが、心身を快調に保ち、仕事のパフォーマンスも上げてくれます。

 血糖値が上がると、その瞬間は気分がよくなります。しかし、その後の急降下で吐き気や眠気などの不調に襲われます。

 血糖値が上がるのは、糖質(≒炭水化物)を摂取するからです。たくさん摂取すればどかんと上がり、その後、上がった血糖値を下げようとするインスリンも多く出るため、今後はどかんと下がります。

 だから、糖質を含んだ食事をとるときには、まとめて大量にではなく、ちょこちょこ食べたほうが血糖値のブレが少なくなります。

 たとえば、1日2回食事をする人なら、同じ内容を3~4回に分けて食べるようにすれば確実に血糖値は安定して体重も落ちていきます。

 ただ、実際には、自分で1日に何回も血糖値測定をする習慣が普通の人にはないため、「1日の食事回数が少ないこと」の弊害に気づけません。その結果「自分は食事回数を減らすことで健康になった」と主張する人も出てきます。

 しかし、それは単純に1日の食事量の総体が減っているからに過ぎず、同じ量で済ませられるなら回数多く分けたほうがより健康になれます。一番マズいのは、腹ぺこ状態でラーメンや丼飯などをかき込むことです。

 忙しいビジネスパーソンが夕食をとれるのは、どうしても20時近くになってしまいます。となると、昼食からの時間が長すぎて、空腹に襲われます。

 そんなときに「夕食までもうちょっと我慢しよう」と空腹を抱えたままでいるのは賢い方法ではありません。

 血糖値を安定させておくために、夕食までのつなぎになにか食べておきましょう。

 ただし、おにぎりやサンドイッチ、スナック菓子などはどれも糖質の塊ですから避けたほうがいいでしょう。

 小腹が空いたときは、縄文人を見習ってナッツがおすすめです(現代の日本人は、縄文人のDNAを強く受け継いでいること。詳しくは第4回参照)。ナッツは血糖値を上げず、ビタミン、ミネラル、タンパク質など理想の栄養分を補給することができます。

 デスクの引き出しに、良質のナッツを常備しておきましょう。このとき、生産地を確かめ、カビや添加物、塩分などもチェックして選んでください。

 ナッツ以外には、チーズや魚の缶詰もおすすめです。要するに血糖値を上げないタンパク質です。

 最悪なのは甘い飲み物やお菓子。空腹時にこうしたものを口にすれば血糖値が急激に上がり、一時的に元気になります。しかし、インスリンも大量に出て今度は血糖値を下げすぎてしまいます。

 血糖値が大きく下がると、吐き気や眠気に襲われ、仕事のパフォーマンスはがた落ち。集中力がなくなって「ますます仕事が終わらない」という悪循環に陥ります。

 よく「頭脳労働には糖分が必要だ」と、すぐに甘い物を口に入れたがる人がいますが、実際は「糖質中毒」になっているだけ。甘い物を口にして血糖値が急上昇したときの快感が忘れられないだけなのです。

(この原稿は書籍『医者が教える食事術 最強の教科書――20万人を診てわかった医学的に正しい食べ方68』から一部を抜粋・加筆して掲載しています)