10月26日~27日に開催された、世界最大規模のマーケティングカンファレンス「ad:tech tokyo 2011」で、日本のソーシャルメディアを代表する3社の経営者が、それぞれのグローバル展開戦略を語った。日本のネットビジネスは、コンテンツの質において世界的な評価を受けているが、ネットを取り巻く環境の変化が以前にも増して著しい今日、彼らはどんなビジョンを描いているのか。日本コカ・コーラでインタラクティブマーケティングを統括する江端浩人氏をモデレータにディスカッションが始まった。

KEYNOTE PRESENTATION
「日本企業がグローバリゼーションで勝ち抜くためには」より

■キーノートスピーカー
日本コカ・コーラ マーケティング&ニュービジネスインターラクティブ・マーケティング
バイスプレジデント 江端浩人氏

グリー代表取締役社長 田中良和氏
ミクシィ代表取締役社長 笠原健治
サイバーエージェント代表取締役社長CEO 藤田晋氏

■ゲストスピーカー

・dmg::events プレジデント スーザン・マクダーミッド氏

  江端氏は冒頭、「日本のモバイル事例が世界に輸出され、デファクトになると思う」とし、そのポテンシャルをもつ企業のトップである3名を招いたと述べた。

日本コカ・コーラ
マーケティング&ニュービジネス、インターラクティブ・マーケティング バイスプレジデント 
江端浩人氏

 3社はいずれも国内市場で成長を続けている。

 サイバーエージェントは現在、事業構造の変革に取り組んでいる。当初は広告代理店業で事業を開始したが、その後ブログサービス「アメーバ」が急激に成長。さらにそこから派生したコミュニティサービス「アメーバピグ」が大ヒットした。現在は実質利益の過半数をアメーバ事業から得ており、広告代理店事業は10%となっている。

 藤田社長は、今後もアメーバなどのメディア事業の割合が高まると判断、ネット広告は今後も有望な市場としながらも、社内体制はメディア運営やツールの新規開発に大きくシフトさせている。

 また、ミクシィは、月間アクティブユーザー数が1500万人を超え、コミュニケーションの投稿数も9億件超に達した。今年8月には会員の公式ページ作成サービスである「mixiページ」の提供を開始、すでに13万ページが開設されている。

 一方、グリーは、「日本最大級の放送回数」(田中氏)を誇るテレビCMの宣伝効果などもあいまって、会員は6月末で2641万人に及んでいるという。

 こうした状況を踏まえ、話題は3社の海外市場でのビジョンと戦略に移った。