在庫の売り手と買い手が匿名で取引できるマッチングシステムを開発したマッチングワールド。これまでゲーム業界を中心に成長してきたが、サービス領域を拡大し新規事業にも積極的に取り組んでいる。その一つがスマートフォンの中古市場で展開する「モバイルマッハ事業」だ。
町田 博 代表取締役社長
基本的に在庫に無駄なものはないのです」とマッチングワールド・町田博社長は言う。その言葉が同社の事業の本質を表現している。
マッチングワールドの事業を一言で説明すれば、"在庫マッチング業"である。サプライチェーンの中では各階層で常に「在庫」が発生する。同社が開発したマッチングシステムは、その各層における過剰在庫・不良在庫をマッチングによって再流通させるものだ。
在庫マッチングには二つのパターンがある。ある場所では商品が不足し、ある場所では商品が余剰になっている。その量的な過不足の調整を行うのが一つ。もう一つが、商品のピークが過ぎた在庫を、ニーズのある違うフィールド(海外など)でさばくパターンだ。
同社のマッチングの強みは、匿名性が担保されていること、そして入庫と出庫の際に、念入りな検品を行っていることだ。「売り手は在庫を処分したという風評が流れるのを嫌うため、匿名性は大切です。当社では匿名性の担保に注力しており、誰が売って誰が買ったかをお互いに知ることはありません」(町田社長)。
また、顧客が買い手・売り手の両方になることが可能で、海外市場への出口を保有していることも同社の強みだ。日本製の商品は東南アジアをはじめ世界各国でのニーズも高い。
現在同社のデータベースには35万点以上の商品データが登録されており、その数は年々増加している。主力商品はゲーム、おもちゃ、キャラクター、DVDなどのエンターテインメント系の商品だが、「食品マッチング事業」では食品(生鮮食品を除く)や健康食品、サプリメントなども取り扱っている。