ソニー盛田昭夫、出井伸之元CEOのスピーチ原稿を担当し、クリントン元大統領のスピーチライターとの交流を始め米国スピーチ事情に通じた佐々木繁範氏。4回目の今日は、スピーチの7つのステップのうち、ステップ3~5「メッセージの組み立て方」を紹介する。いかに最後まで聴衆を飽きさせず、話の内容を理解してもらうか。そのためには、話にメリハリを利かせるとともに、伝わりやすくするための工夫が不可欠だ。

聞きやすく、記憶に残りやすい<br />メッセージの組み立て方

 スピーチの全体の構成は、聴衆の関心をつかむ「オープニング」、しっかり内容を伝える「ボディ」、メッセージを記憶に焼き付ける「クロージング」の主に3つのパートに分かれます。

 それぞれのパートの役割を意識しつつ、話を組み立てていきましょう。

  本書ではまず、本論である「ボディ」をしっかり固めることから始め、次に「オープニング」「クロージング」の順に解説します。

ステップ3:ボディをすっきりと論理的に組み立てる

 スピーチは耳で聞いて容易に理解できるものでなければなりません。また、紙に書かれた文章のように、前に戻って内容を確認することができません。従って、論理的に、しかもすっきりとシンプルに本論を構成することが求められます。

 とはいえ、何もない状態で始めるのも難しいものです。ここでは簡単に、代表的な3つの型をご紹介しましょう。