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2010年における国内のAED総設置数は、32万8321台。そのうちの76%は、一般市民が使える公共施設等に設置されたものだ(ほかは医療機関、消防機関)。06年以降急速に普及し、現在でも増え続けている。しかし、多くの人がAEDの存在は知っていても、その機能や使い方については、不案内だ。そこにAEDがあれば助かる命がある。それはまた、私たち一人ひとりが救命を担っているということでもある。

 救えたはずの命──。常に救急医療の最前線は、悔やんでも悔やみ切れないこの言葉と背中合わせだ。しかも、医療従事者のみならず私たち一般人にも、決してそれは他人事ではない。突然、眼前で誰かが倒れた際、AEDという医療機器をきちんと認識しているか否かが大きな影響力を持っているのだ。

  駅のホームや商業ビル内など、あちこちでAEDを見かけるが、それがどのような機器なのかを正確に理解しているだろうか? Automated External Defibrillatorの略称で、直訳すると「自動体外式除細動器」となる。人が急に失神して脈が確認できなくなった場合、最も高い可能性として考えられるのは、「心室細動(心臓がなんらかの原因で痙攣を起こして正常に血液を循環できなくなる状態)」と呼ばれる症状である。

  当然、この状況が長引けば生命を落とす恐れが強まるし、たとえ生還できたとしても、重度の後遺症に苦しむ可能性が出てくる。救急車が到着するまでのあいだにも、こうしたリスクがどんどん高まる。そこで、心臓に電気ショックを与えることで再び正常な動きを取り戻すように働きかけるのがAEDなのである。

  元日本代表でJFL「松本山雅」に所属していたプロサッカーの松田直樹選手が練習中に倒れて帰らぬ人となったことは、まだ記憶に新しいだろう。その練習場にはAEDが設置されていなかったが、これを機に日本サッカー協会では、各チームに試合、練習でのAED携行を義務付けた。また、タレントの松村邦洋さんは2009年の東京マラソンに出場中、急性心筋梗塞で一時心肺停止状態に陥ったものの一命を取りとめた。伴走車に搭載していたAEDで蘇生措置が図られ、当日午後には意識を取り戻している。

  04年7月以降、一般市民でもAEDが使えるようになったが、米欧と比べて日本の救命率は低い。裏返せば、私たちが日頃からAEDの存在を意識し、その使用法を学んでおくべきなのだ。

※厚生労働科学研究「循環器疾患等の救命率向上に資する効果的な救急蘇生法の普及啓発に関する研究」(研究代表者 丸川征四郎、2011年3月)より。

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