懐が寒いこの時代、結婚式も簡略化
今や2組に1組が「ナシ婚」の現状

 4月も終盤を迎え、ある“郵便物”の到着に肝を冷やしている人も少なくないだろう。その“郵便物”とは、「ジューンブライド」の6月に挙行される結婚式の招待状だ。

 リクルートが運営する「ブライダル総研」の調査によると、11.7%の女性が結婚するまでに10回以上、挙式、披露宴・披露パーティーに出席した経験があると回答。さらにこの割合は、30歳以上では26.5%に上昇し、およそ4人に1人が自分以外の人の結婚式に10回以上も参加している計算になる。

 相手が全て友人や同僚だとして、ご祝儀を1回3万円出すと計算しても30万円以上。その他、諸々の経費を計算に入れれば、かなりの出費となることがうかがえよう。

「ご祝儀は自分が結婚するときに返ってくる」とも考えられるが、この不況の折、寒い懐事情を考えると、当面の「結婚式参加資金」を確保するだけでも一苦労だ。ましてや、自分が本当に結婚するかどうか、先行きが不透明な人だって多いのである。

 しかし、そんな時代背景に対応してか、新しいトレンドが出てきている。結婚式場選びの口コミサイト「みんなのウェディング」の調査によると、挙式・披露宴を行なわない「ナシ婚」と呼ばれる現象が拡大しているというのだ。今回は、同調査や周辺取材を参考などにし、不況時代の結婚式事情について見ていこう。

 実際に、「ナシ婚」はどこまで進行してしいるのだろうか。厚生労働省の調査によると、2011年には67万組の夫婦が結婚したが、経済産業省による2005年調査を見てみると、約35万件しか結婚式を挙げていないことがわかる。