首都圏に住むビジネスパーソンの通勤にかける平均時間は、往復で約2時間。この貴重な時間を無為に過ごしてはいないだろうか? 昇格や異動、転勤、あるいは転職など、新たなビジネスライフの転機に、通勤時間を、自分を磨くゴールデンタイムに変えることで、さらなる飛躍を目指したい。

安部徹也 MBA Solution 代表 1967年大分県生まれ。90年九州大学経済学部経営学科卒業後、現・三井住友銀行赤坂支店入行。2000年Thunderbird(米国国際経営大学院)に留学。MBA取得後、米国人パートナーと共にビジネス教育・経営コンサルティング事業を行うMBA Solutionを設立し代表に就任。トップMBAのみが参加できるΒΓΣ(ベータ・ガンマ・シグマ)会員。

  「今は社員一人当たりの業務量が増えているうえ、グローバル化によって語学・コミュニケーション力の向上が求められ、個人間の競争も厳しくなってきています」

 こう指摘するのはMBA理論に基づいた研修プログラムを提供するMBA ​Solution​代表取締役の安部徹也氏。これからのキャリア形成は、会社頼みではなく“自分投資”にかける個人の力が問われるという。しかし実際にビジネスパーソンが自己啓発に使う1週間の時間は、10年間で1時間18分も減少している(下図参照)。

「仕事量増加による忙しさがネックになっているのが現実です。だとすれば、着目すべきは通勤時間。この1~2時間にも及ぶ貴重な時間をもっと戦略的に使うことを考えるべきです」

自己啓発に費やす時間は10年間で、1時間18分減少
語学学習や資格取得など、1週間のうちどの程度の時間を自己啓発のために使っているのかを30年間の推移で比較したもの。2010年はもっとも低い数値となった。 出典:「30年の推移で見る『ビジネスマンの生活時間』調査」(2010年12月、シチズンホールディングス調べ)