ひろゆきが断言「やる気のない無能より、やる気のある無能のほうが危険」そのワケとは?ひろゆき氏(撮影:榊智朗)

現在、日本中で大ブレイク中のひろゆき氏。
彼の代表作『1%の努力』では、「考え方の根っこ」を深く掘り下げ、思考の原点をマジメに語っている。この記事では、ひろゆき氏にさらに気になる質問をぶつけてみた。(構成:種岡 健)

あなたは「やる気がある人」?

 みなさん、やる気をもって働いていますか?

 仕事をする上で、面接などの場ではやる気を見せる必要があります。

 ただ、日常的な仕事でいちいち「頑張ります!」「えいえいおー!」みたいなことを言う場面は、そんなにありません。

 中には、そういう掛け声をするような職場もありますが、たぶんブラックな職場なのでしょう。

 というのも、僕は、「やる気がある人」より「やる気がない人」のほうが優秀だと思っているので、それについて語っていきましょう。

「めんどくさがる人」が発明をする

 やる気がある人には、ある盲点があります。

 それは、環境をそのまま受け入れることです。まわりがやっていることに疑問を持たず、「これをやればいいのか!」と、単純に行動に移します。

 一方、やる気のない人は、「なんでこんなことやらないといけないんだ」「めんどくさいな」と思いながら働いています。

 それだけを見ると、やる気があったほうがいいように見えます。

 しかし、「台車で運べばいいじゃん」「いや、床をベルトコンベアーにしたほうがいい」など、ラクをする発想から、さまざまな発明は生み出されます。

 与えられた環境で言われたとおりに頑張ることしかできない人は、そういう発想を生み出すことができないんですよね。

 じゃあ、会社とか組織にとっては、どちらもいてもらったほうがいいんです。やる気がある人が兵隊として働いて、やる気のない人は幹部候補になるか無能のまま去っていくか。その2つのパターンの人がいたほうがいいんですよね。

「やる気のない無能」の可能性

 もちろん世の中には、やる気のない無能がいます。

 ただ、彼らを能力開発することは、じつは簡単だったりします。

 動きは遅くても、考え方を変える余地があるからです。

 一方で、やる気のある無能の人は、頑張り方を変えません。「今まで、このやり方でやってきたんです!」みたいなバイアスにとらわれているんですよね。

 そうなってしまうと、考え方を変えることが非常に難しくなります。

「やってのけるタイプ」は、要注意

 ということで、自分はどっちのタイプなのかをあらためて考えてみましょう。

 努力とか精神論でなんとかやってのけてしまうタイプなら、要注意です。

「あれ? なんか周りの人のほうが要領よくやっているな……」「頑張りすぎなのかな……」と、客観視してみてください。

 まあ、それができないから無能のままでいるとは思うんですが……、それでも、ちょっと疲れたときには考えてみたほうがいいと思うんですよね。

ひろゆき
本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。著書に、44万部を突破したベストセラー『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。