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スマートフォンや各種サービスの普及を背景に、拡大の兆しを見せる地図=位置情報サービス市場。店舗検索やSNSといった個人向けはもとより、物流、交通、マーケティングなど企業向けにおいても、地図の利用は拡大している。将来の活用分野などとともに、位置情報サービス市場の動向を追った。

市場がますます広がり
さまざまな分野への応用にも期待

野村総合研究所
社会システムコンサルティング部 上級コンサルタント
丸田哲也

1999年野村総合研究所入社。GISやGPS、位置情報に関する各種の調査研究・コンサルティングに関わる。

 外出先で道がわからないとき、スマートフォンで地図を確認する光景が当たり前の時代になった。さらにルート案内をさせたり、航空写真を見たりと、かつては考えられなかったような使い方もできる。便利な端末とサービスの出現により、地図=位置情報サービスの利用機会は劇的に増えている。

 野村総合研究所社会システムコンサルティング部上級コンサルタントの丸田哲也氏は、位置情報サービス市場についてこう語る。

 「国内の位置情報サービス市場はここ数年、大きな盛り上がりを見せています。その背景には、高速通信回線やスマートフォンの普及に加え、地図関連のシステムを開発するハードルが下がったことが挙げられます」

多くの企業が参入する
10兆円産業

 かつて地図データやそれを活用するソフトは、数十万円もする高価なものだった。GPS(衛星利用測位システム)も、船舶など特定の産業だけで使われていた。それらの利用コストや難易度が下がったことで、さまざまなプレーヤーが参入し、市場の活況につながった。

 経済産業省の地理空間情報活用推進研究会が2008年に示した「地理空間情報サービス産業の将来ビジョン」では、13年までに、デジタル地図や位置情報関連の産業は10兆円市場に拡大する見込みとなっている。しかも当時の試算にはスマートフォンは含まれていないため、実際にはこれ以上に成長している可能性は高い。

 市場に参加するプレーヤーは、ベースとなる地図を作るデジタル地図調整会社から、地図や位置情報を利用したサービスを提供するプラットフォーム会社、各種アプリやシステムを開発するソリューション会社、スマートフォンやカーナビのメーカーまで、実にさまざまだ。

 特に市場規模が大きいとされるのがソリューション関連。自動車のナビシステムや店舗情報検索といった個人向けだけでなく、物流効率化、航空機・船舶の位置把握、車両管理、施設管理など産業向けにも、すでに多様なソリューションが提供されている。

 マーケティング分野で注目されている言葉としては、「O2O(Online to Offline)」が挙げられる。ネット上での行動を、リアルな店舗での消費行動へとつなげるための仕組みのことで、例えば、位置情報やクーポンを活用して、属性に合ったユーザーを集客するといったことを可能にする。

 また、位置情報を利用したゲームやSNSも人気で、次から次へと新しいアイデアを盛り込んだアプリが登場している。

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