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シリア情勢緊迫化で原油上昇も
介入後は早期終結期待で下落か

芥田知至 [三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員]
2013年9月10日
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 シリア情勢緊迫化を受けて、原油価格は一段高となった。8月26日に米政府は「化学兵器をアサド政権が使用したことにほぼ疑いの余地はない」との見解を示し、27日にはオバマ大統領からの命令があればシリアを攻撃する準備ができているとの米国防長官の発言が報道された。

 29日にも攻撃開始との見方もあったため、事態の急展開を予期した原油相場は上昇した。本稿執筆時点では、9月5~6日のG20の場を利用して、オバマ大統領が各国首脳とシリア情勢について意見交換する予定だとされている。

 そもそも、夏場の原油市況は、エジプトの政情不安やリビアでの武装勢力によるパイプライン閉鎖などが相次いだことや、米国の原油在庫が減少傾向にあったことから、上昇基調で推移していた。

 米国の量的緩和縮小観測から株式も含むリスク資産全般が売られる中で、上昇要因が目立つ原油に買いが集まりやすくなった面もあった。そこに、米欧によるシリアへの軍事介入の観測が強まったのだった。8月終盤に欧州北海産のブレント原油は117ドル台、米国内陸産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は112ドル台まで上昇した。

 しかし、シリア情勢を材料にさらに原油相場が上昇することはなさそうだ。米欧による軍事介入があっても限定的な規模になるとの見方が優勢になり、中東全域が混乱する可能性も小さくなっている。過去の湾岸戦争やイラク戦争の例を見ると、実際に軍事行動が起きると戦争の早期終息観測などから原油相場は下落した。

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