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グローバル人材育成大学

裾野が広がる、グローバル人材への
ニーズに対応するカリキュラムに注目

著者・コラム紹介
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グローバル化の急速な進展は、社会で必要とされる人材にも変化をもたらした。一握りのエリートだけではなく、多くの社会人にグローバル人材としての素養が求められるようになったのだ。日本人としてのアイデンティティを確立し、国内外で多様な背景を持った人々と共に生きていく。そんな力を養成する大学に、今、注目が集まっている。

平賀富一 氏
ニッセイ基礎研究所
上席研究員 アジア部長

東京大学経済学部卒業。ハーバード・ビジネス・スクールTGMP修了。博士(経営学)、修士(法学)。1979年、東京海上火災保険(当時)入社。外務省、国際金融情報センター欧州部長、同アジア大洋州部長、日本格付研究所国際格付部長兼チーフアナリストを経て、2009年4月にニッセイ基礎研究所に転じる。研究・専門分野は国際経営・国際経済(アジア地域を主とする)・国際人的資源管理。

 「グローバル人材が求められる場は着実に広がっています」と指摘するのは、ニッセイ基礎研究所の平賀富一氏だ。この傾向は、安倍政権による経済政策である「アベノミクス」からも見て取れる。

 今年6月に閣議決定された「成長戦略」では、2012年に837万人だった訪日外国人旅客者数を30年には3000万人に、同じく30年には宿泊者のおよそ6人に1人を外国人に、との目標を掲げている。また、今後5年間で新たに1万社の中堅・中小企業の海外展開を実現するといった目標が並ぶ。「これらの目標が実現した姿を想像してみてほしい」と、平賀氏は語る。

 観光客について見ると、現在の4倍近い外国人客を迎えることになる。小売り・サービスなどの現場では当然、宿泊先となるホテル、旅館でも、英語を中心とし中国語なども含めたコミュニケーションは必須だ。「それらの外国人を迎え顧客とするさまざまなビジネスで成功するには、多くの日本人が語学力を高めることが大きなサポートになるでしょう」と平賀氏。

 グローバル人材の育成対象は、一部のエリート層や特殊な専門能力を有する人材から、ごく一般的な職能スキルを、英語などの外国語を使用する環境下でも発揮できる人材へ幅広くシフトしていくことが、必然の流れとなっているのだ。

アイデンティティと
コミュニケーションが重要

 では、グローバル人材は、具体的にはどのような資質を備えなければならないのだろうか。平賀氏は内閣の「グローバル人材育成推進会議での議論が参考になります」と説明する。

 同会議では、グローバル人材の要素を三つ挙げている。まず、一つ目は「語学力・コミュニケーション能力」が必須である。二つ目に「主体性・積極性、チャレンジ精神、協調性・柔軟性、責任感・使命感」といった社会人の基礎力ともいうべき要素が列挙される。

 平賀氏は、興味深いエピソードを教えてくれた。「国際会議の議長にとって、最も難しい仕事は、インド人の発言を抑制することと、日本人の発言を促すことであるという有名なジョークがあります。自身の考えをタイムリーにきちんと主張し、相手に理解・納得させるには、英語などの語学力に加えて思考力や討議力が重要で、若年時からのトレーニングが不可欠です」。

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